研究課題
1.キュウリモザイクウイルス(CMV)のY-satRNAはCMV感染タバコの病徴を鮮黄色に変化させる。本研究では、Y-satRNAに存在する22ntの連続した塩基配列がタバコのクロロフィル合成のキー酵素であるマグネシウムポルフィリンキレーターゼ(ChlI)遺伝子に相補的な配列であることを発見した。次に、5'RACE実験によって、ChlI遺伝子のmRNAがY-satの結合部位において切断されることを明らかにした。すなわち、Y-satRNAはChlI遺伝子のmRNAに結合し、RNAサイレインシングを誘発して、このmRNAを切断することが、黄化病徴のメカニズムであることを証明した。植物ウイルスの病徴誘導メカニズムを分子レベルで解明した世界初の成果である。2.rgs-CaMは結合するウイルスのサイレンシング抑制(RSS)の発現をタンパクレベルで阻害していることを、rgs-CaMの過剰発現およびノックダウン形質転換タバコにアグロインフィルトレーション法によりクローバ葉脈黄化ウイルスのRSSであるHC-Proを一過的に発現後、ウェスタンおよびノーザン解析により明らかにした。さらに、少なくともキュウリモザイクウイルスのRSS、Y2bとrgs-CaM自身はユビキチン-26Sプロテアソームで分解されていることを示唆する結果を得た。これらのことから、rgs-CaMは結合したウイルスRSSタンパクを不安定化することで、RSSの働きを抑えていることが示唆された。3.エンドウに矮化・黄化・枯れ葉を誘導する強毒株90-2と分離株30のキメラ解析から強毒性は主にP3遺伝子によって支配されていることを証明した。またタルウマゴヤシでエソ反応を誘導する宿主側因子のマッピングを行ったところ、エンドウのえそ誘導因子Cyn1とシンテニーがある染色体領域にマップされた。
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