妊娠の制御と成立機構のリモデリング

2008 年度 自己評価報告書

• 研究課題/領域番号: 18108004
• 研究種目: 基盤研究(S)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 応用動物科学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 今川 和彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (00291956)
• 研究期間 (年度): 2006 – 2010
• キーワード: 動物 / 遺伝子 / 発現制御 / 妊娠 / リモデリングインターフェロ / トロホブラスト細胞 / 着床

研究概要

トロホブラスト細胞から時期(着床期)特異的な発現をするIFNT遺伝子の発現制御機構と、この遺伝子の発現によって誘導される母体側や胚仔側の遺伝子群を明らかにすることによって、受胎の認識、胚の接着、浸潤から初期胎盤の形成までの理解を深め、着床・妊娠の制御機構の新たなモデルを提唱する。具体的な目標として、以下の5項目を掲げた。
(1)トロホブラスト細胞株IFNT遺伝子発現制御モデル
(2)人為的制御可能なIFNT遺伝子を持つトロホブラスト細胞株と子宮細胞での接着や浸潤過程の解析
(3)遺伝子改変トロホブラスト細胞株による接着から胎盤形成過程の解析
(4)IFNT遺伝子改変ES細胞を用いてトランスジェニックや遺伝子ノックアウト・シバヤギの作出
(5)早期妊娠診断法の開発や上記知見のクローン動物への応用のための基礎実験

研究成果

• [雑誌論文] Interleukin-1 receptor antagonist expression in the equine endometrium during the peri-implantation period (2009)
  • 著者名/発表者名: Haneda S, Nagaoka K, Nambo Y, Kikuchi M, Nakano Y, Matsui M, Miyake Y, Macleod JN, Imakawa K.
  • 雑誌名: Domest. Anim. Endocrinol. 7
• [雑誌論文] L-amino acid oxidase plays crucial role in host defense in the mammary glands (2009)
  • 著者名/発表者名: Nagaoka K, Aoki F, Hayashi M, Muroi Y, Sakurai T, Itoh K, Ikawa M, Okabe M, Imakawa K, Sakai S.
  • 雑誌名: FASEB J. 10
• [雑誌論文] Induction of endogenous tau interferon gene transcription by CDX2 and high acetylation in bovine non-trophoblast cells (2009)
  • 著者名/発表者名: Sakurai T, Sakamoto A, Muroi Y, Bai H, Nagaoka K, Tamura K, Takahashi T, Hashizume K, Sakatani M, Takahashi M, Godkin JD, Imakawa K.
  • 雑誌名: Biol. Reprod. 11
• [雑誌論文] Identification of novel retromer complexes in the mouse testis. Biochem Biophys (2008)
  • 著者名/発表者名: Kim E, Lee JW, Baek DC, Lee SR, Kim MS, Kim SH, Imakawa K, Chang KT.
  • 雑誌名: Res. Commun. 375 ページ: 16-21
• [雑誌論文] Involvement of RNA binding proteins AUF1 in mammary gland differentiation (2007)
  • 著者名/発表者名: Nagaoka K, Tanaka T, Imakawa K, Sakai S.
  • 雑誌名: Exr. Cell Res. 313 ページ: 2937-2945
• [雑誌論文] Regulation of the ovine interferon-tau gene by a blastocyst-specific transcription factor Cdx2 (2006)
  • 著者名/発表者名: Imakwa K, Kim M-S, Matsuda-Minahata F, Ishida S, Iizuka M, Suzuki M, Chang K-T, Echternkamp SE, Christenson RK
  • 雑誌名: Mol. Reprod. Develop. 73 ページ: 559-567
• [雑誌論文] Regulation of conceptus adhesion by endometrial CXC chemokines during the implantation period in sheep (2006)
  • 著者名/発表者名: Imakawa K, Imai M, Sakai A, Suzuki M, Nagaoka K, Sakai S, Lee A-R, Chang K-T, Echternkamp SE, Christenson RK
  • 雑誌名: Mol.Reprod. Develop. 73 ページ: 850-858
• [雑誌論文] Up-regulation of NOD1 and NOD2 through TLR4 and TNF-alpha in LPS-treated murine macrophages (2006)
  • 著者名/発表者名: Takahashi T, Isuzugawa K, Murase Y, Imai M, Yamamoto S, Iizuka M, Akira S, Bahr GM, Momotani E, Hori M, Ozaki H, Imakawa K.
  • 雑誌名: J. Vet. Med. Sci. 68 ページ: 471-478
• [雑誌論文] Progesterone initiates Wnt-beta-catenin signaling but estradiol is required for nuclear activation and synchronous proliferation of rat uterine stromal cells (2006)
  • 著者名/発表者名: Rider V, Isuzugawa K, Twarog M, Jones S, Cameron B, Imakawa K, Fang J.
  • 雑誌名: J. Endocrinol. 191 ページ: 537-548
• [学会発表] IFNT遺伝子発現制御機構へのTEAD4の関与 (2009)
  • 著者名/発表者名: 山越祥子、唄花子、櫻井敏博、室井喜景、永岡謙太郎、岡田幸之助、友金弘、今川和彦
  • 学会等名: 日本畜産学会第110回大会
  • 発表場所: 日本大学生物資源科学部
  • 年月日: 20090000
• [学会発表] 転写因子CDX2によるクロマチン構造変化 (2009)
  • 著者名/発表者名: 櫻井敏博、唄花子、室井喜景、永岡謙太郎、今川和彦
  • 学会等名: 日本畜産学会第110回大会
  • 発表場所: 日本大学生物資源科学部
  • 年月日: 20090000
• [学会発表] 膜タンパク質CD9はヒト・トロホブラスト細胞におけるsyncytin-1の発現を制御する (2009)
  • 著者名/発表者名: 室井喜景、窪田健太郎、櫻井敏博、永岡謙太郎、今川和彦
  • 学会等名: 日本畜産学会第110回大会
  • 発表場所: 日本大学生物資源科学部
  • 年月日: 20090000
• [学会発表] レトロエレメントのダイナミズム「家畜の胎盤形成」 (2009)
  • 著者名/発表者名: 今川和彦、櫻井敏博、室井喜景
  • 学会等名: 第147回日本獣医学会学術集会
  • 発表場所: 宇都宮
  • 年月日: 20090000
• [学会発表] トロホブラスト細胞にける転写因子GATA ファミリーの発現動態および発現部位 (2009)
  • 著者名/発表者名: 唄花子、櫻井敏博、室井喜景、永岡謙太郎、今川和彦
  • 学会等名: 日本畜産学会第110回大会
  • 発表場所: 日本大学生物資源科学部
  • 年月日: 20090000
• [学会発表] 家畜における生殖内分泌研究の現状「ウマ胚の妊娠認識の同定」 (2009)
  • 著者名/発表者名: 今川和彦、永岡謙太郎
  • 学会等名: 第147回日本獣医学会学術集会
  • 発表場所: 宇都宮
  • 年月日: 20090000
• [学会発表] ウシ・トロホブラスト細胞の着床期に発現変化するレトロトランスポゾン由来新規遺伝子の機能解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 室井喜景、櫻井敏博、永岡謙太郎、今川和彦
  • 学会等名: 日本畜産学会第109回大会
  • 発表場所: 茨城大学
  • 年月日: 20080000
• [学会発表] 子宮灌流液と子宮内膜上皮細胞によるウシ栄養膜細胞の遺伝子発現調節機構の解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 佐藤大祐、櫻井敏博、唄花子、室井喜景、奥田潔、永岡謙太郎、今川和彦
  • 学会等名: 第101回日本繁殖生物学会大会
  • 発表場所: 九州大学
  • 年月日: 20080000
• [学会発表] IFNT遺伝子のトロホブラスト細胞特異的な発現制御機構に関与する転写因子の探索 (2008)
  • 著者名/発表者名: 唄花子、櫻井敏博、坂本淳史、室井喜景、永岡謙太郎、中島弘美、今川和彦
  • 学会等名: 日本畜産学会第109回大会
  • 発表場所: 茨城大学
  • 年月日: 20080000
• [学会発表] ウシ・トロホブラストの着床期に発現変化するレトロトランスポゾン由来遺伝子の機能解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 室井喜景、櫻井敏博、柳田絢加、永岡謙太郎、今川和彦
  • 学会等名: 第101回日本繁殖生物学会大会
  • 発表場所: 九州大学
  • 年月日: 20080000
• [学会発表] 転写因子Cdx2によるインターフェロン・タウ遺伝子座におけるヒストンH3 アセチル化就職の可能性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 櫻井敏博、唄花子、室井喜景、永岡謙太郎、今川和彦
  • 学会等名: 第101回日本繁殖生物学会大会
  • 発表場所: 九州大学
  • 年月日: 20080000
• [学会発表] エピジェネテックによる胚性インターフェロン・タウの時期・細胞特異的な発現制御機構の解明 (2007)
  • 著者名/発表者名: 櫻井敏博、坂本淳史、Godkin JD、Ealy AD、今川和彦
  • 学会等名: 第100回日本繁殖生物学会大会
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 20070000
• [学会発表] トロホブラスト細胞特異的転写因子Eomesによる時期特異的な胚性インターフェロン・タウ遺伝子発現機構の解析 (2007)
  • 著者名/発表者名: 佐藤大祐、金民洙、室井喜景、櫻井敏博、坂本淳史、永岡謙太郎、今川和彦
  • 学会等名: 第100回日本繁殖生物学会大会
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 20070000
• [学会発表] 転写因子Oct-4 によるインターフェロン・タウ遺伝子の発現調節機構 (2007)
  • 著者名/発表者名: 金民洙、櫻井敏博、佐藤大祐、坂本淳史、室井喜景、Chang K-T、Ochs GJ、Roberts MP、Godkin JD、今川和彦
  • 学会等名: 第100回日本繁殖生物学会大会
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 20070000
• [学会発表] (2007)
  • 著者名/発表者名: 坂本淳史、櫻井敏博、金民洙、高橋透、橋爪一善、酒井仙吉、永岡謙太郎、今川和彦
  • 学会等名: 第100回日本繁殖生物学会大会
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 20070000
• [図書] いざ"生"の扉へ : クローンとエピジェネテックの新展開 (2006)
  • 著者名/発表者名: 今川和彦
  • 総ページ数: 180
  • 出版者: アドスリー(販売丸善)