研究課題/領域番号 |
18109001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松田 彰 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90157313)
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研究分担者 |
原島 秀吉 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00183567)
南川 典昭 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (40209820)
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キーワード | ヌクレアーゼ祇抗性核酸 / 2'-O-メチル-4'-チオリボヌクレオシド / 4'-チオDNA / NMR / si RNA / antisense RNA |
研究概要 |
〈ヌクレアーゼ抵抗性核酸〉1)酸素や硫黄と同族原子であるセレンを4'位に持つ2'-O-メテル-4'-セレノウリジン(McSeUrd)をD-リボースからセレノPummerer反応を鍵反応として合成し、それを含むRNA (MeSeRNA)を世界で初めて合成した. MeSeUrdを4個含む15 merのMeSe RNA 1と天然型RNA二本鎖のTm値は、天然型RNA二本鎖のTm値より5.3℃高かった. さらに、5'-エキソヌクレアーゼに対してMeSe RNA 1は対応する天然型RNAより2.3倍安定であり、50%ヒト血清中では約3900倍安定であった. 2)4'-チオDNA (SDNA)はエンドヌクレアーゼに対する抵抗性に優れ、天然型DNAよりもむしろRNAに対する親和性が高いことからRNA様の構造をしていると予測していた. そこで12 mer SDNA二本鎖のNMRによる構造解析を行ったところ、ほとんどのヌクレオシド糖部は3'-endo配座をとり、主溝は狭く深く、副溝は広く浅く、天然型RNA二本鎖のA型構造の特徴を備えていた. 3)2'-O-メチル-4'-チオヌクレオシドを含むRNA (MeSRNA)はエンドヌクレアーゼに対してSDNAより安定であり、RNA選択性に優れている. 現在、このヌクレオシドを含むsi RNAを蛍ルシフェラーゼGL3安定発現細胞(HeLa-Luc細胞)でアッセイしており、天然型si RNAよりも1.64倍安定な修飾様式を見出した. 〈MENDの最適化〉トランスフェリン修飾したMENDのエンドソーム脱出を促進するために、pH-感受性膜融合ペプチドGALAを導入して、遺伝子発現を飛躍的に向上させた. また、肺血管内皮細胞を選択的に認識するペプチドリガンド(IRF)を見いだした. IRFでMEND修飾を行ない、si RNAを搭載すると、効率的に遺伝子発現を抑制した.
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