研究課題/領域番号 |
18109002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
寺崎 哲也 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (60155463)
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研究分担者 |
大槻 純男 東北大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (60323036)
伊藤 慎悟 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (20466535)
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キーワード | 血液脳関門 / 脳毛細血管 / プロテオミクス / トランスポーター / 質量分析 / 磁気分離 / MRP / 生理機能 |
研究概要 |
脳毛細血管の血液側、脳側の細胞膜における局在量を明らかにするために各細胞膜を高純度で精製する取り組みを行ってきたが、各細胞膜の混合が無視できなかった。今年度は、逆転の発想で、細胞膜を高純度に精製するのではなく、細胞膜画分の純度を正確に求めて、数理モデルに基づき解析対象タンパク質の各々の細胞膜局在率を測定する方法を開発することとした。細胞膜局在が既知のタンパク質をマーカーとして選び、絶対発現量に基づいて各細胞膜の混入率を算出し、この値を用いて解析対象タンパク質の細胞膜局在率を測定した。大量のサンプルが調製可能な肝臓のシヌソイド膜と胆管側膜について、マーカータンパク質2分子、輸送担体タンパク質16分子の解析を行ったところ、免疫染色の結果と非常によく一致した。細胞膜タンパク質絶対定量法用いて、細胞膜の局在性解析研究を行う手法が確立できた。 予備検討では100匹マウス大脳から調製した脳毛細血管内皮細胞膜を用いても、これまで開発した質量分析法では定量限界以下であったことから、定量感度を改良する必要があった。Nano-LCを導入し、従来の500分の1の流速である100nL/minで定量解析を行うことによって、5ugタンパク質を用いて1fmolのタンパク質を定量できるようになった。 ヒト不死化脳毛細血管内皮細胞(D3)の細胞膜タンパク質発現解析を行ったところ、マウスと比べてGLUT1やNa^+-K^+-ATPaseはほとんど差がなかったが、それ以外の輸送担体では種差が見られた。ヒトの脳毛細血管での解析が重要であると考えられる。
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