研究課題/領域番号 |
18200004
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 正幸 大阪大学, 大学院・清報科学研究科, 教授 (80200301)
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研究分担者 |
滝根 哲哉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00216821)
若宮 直紀 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (50283742)
長谷川 剛 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (00294009)
荒川 伸一 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (20324741)
笹部 昌弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10379109)
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キーワード | トポロジー / ベき則 / オーバーレイ / 高信頼ネットワーク / ネットワーク設計 |
研究概要 |
本年度は、ISPにおけるネットワーク設計に着目した新たなインターネットトポロジー生成モデルを提案し、有効性を示した。提案モデルでは、物理距離およびトラヒック収容に必要な回線容量を考慮した回線コストを導入し、回線コストを最小化することによってトポロジーを生成する。提案モデルにより生成されるトポロジーをISPネットワークのトポロジーおよび従来の生成モデルと比較評価した結果、提案モデルによるトポロジーは、従来のトポロジー生成モデルによるトポロジーに比べ、クラスタ係数、平均パス長、リンク負荷に関して、現実のISPネットワークのトポロジーに近い特性を示すことを明らかにした。さらに、トポロジがべき乗則に従う大規模TCP/IPネットワークにおけるTCPの性能解析手法を確立した。解析手法はnsなどのソフトウェアシミュレータでは対応できないような大規模ネットワークにおいても適用可能である。性能評価の結果、近年検討されている、ルータバッファの極小化は、リンク利用率を維持することはできるが、特に次数の高いような繁忙ルータを通過するTCPコネクションの性能を様々な面で劣化させることが明らかとなった。また、トポロジーがべき乗則に従うP2Pファイル共有システムにおいて、ノードの自律的、利己的な振る舞いによってシステム全体で適切なキャッシングが行われる機構の実現を目指し、進化ゲーム理論にもとづくキャッシングについて検討を行なった。シミュレーションにより、キャッシングに対するコストと需要のモデルによっては、ノードが利己的に振る舞ったとしてもファイルがシステムから消失することのない、ファイル共有が実現可能であることを示した。
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