研究概要 |
脳動脈流をクリップで留める手術訓練システムを完成させるために,脳,頭蓋骨,動脈,静脈を個々に復元し,統合することによって頭部内の臓器モデルを作成し,変形可能部位をテトラ化して,動脈瘤のクリップに伴う変形過程の実現を目指した.しかし,リアルタイムでの変形の実現は困難であり,術具と組織の干渉検出,組織の変形とその描画の高速化が不可欠となったため,8CPUとGPUを利用した並列計算システムによる高速化を行うことで,500×500の画面が秒間30回描画可能となった,しかし、画像計測で臓器相互の連結関係を抽出することは難しく、また神経やリンパ管等の復元も不可能であり、実用に耐える臓器モデル復元のために他の計測法の採用が不可欠である。 患者胸部造影CT画像から弓部大動脈瘤および血管壁組織領域の自動抽出を目的として,三次元領域拡張法を二期的に用いる手法について検討した.結果として,血管壁組織領域の一部を抽出することに成功したが,大動脈瘤領域の完全抽出には至らず,今後はファジィ推論に基づく領域抽出手法を検討することに加え,造影CT画像と非造影CT画像との差分から動脈瘤領域および多周辺臓器の抽出手法について今後検討する必要がある. 手術部位の画像とメス位置,術具に働く力とトルクを遠隔地にSKYPEを利用してリアルタイムで送信し,熟練医師のメス操作感覚を非熟練者に体験させるシステムを,差分画像のJPEG圧縮を利用して実現した,更に,音声や画像とともに、力感覚を伝送することによるマルチモーダル臨場感通信において,リアルタイムでの力感覚の伝送品質を上げる方式を考案した.力感覚の伝送中の欠落や誤謬の補正・修正とデータのドリフトなどの値にオフセットが発生する場合に.事例ベースによる力感覚データの補完を行う方式を開発した.この方式により、従来困難であった非線形情報の補完も実現した.
|