本年は4年間の研究計画の最終年で、これまでの研究を総括し今後の図書館情報学教育にどのようにつなげることができるかを検討した。 1.図書館情報学検定試験の実施体制づくり 2007年度から準備を始めた検定試験の実施体制については3年目に入り、本格実施のためのシミュレーションとして、問題作成、受験者の公募、試験の実施、採点と結果の通知、結果の分析と評価に至る全体的な過程を経験した。また、検定試験の歴史的な意義、学術分野の検定試験実施動向の分析などを含めた総今的な評価を行い、本格実施を行うための見通しをつけることができた。 2.図書館情報学教育の個別領域の検討 前年のA-LIEP2009(つくば)の成果を踏まえつつアジア太平洋地域を中心とした国際的な教育体制の把握とカリキュラム互換に向けた検討を進め発表した。また、遠隔教育についての検討ではこれまでの諸外国での実践事例の検討を踏まえ実際にプロトタイプのシステムを構築した。大学図書館についての検討では、大学図書館員に必要なコンピテンシーについて実証的な調査データを踏まえて論じた。学校図書館についての検討では、質問紙調査、実地調査、アメリカの歴史研究についていずれもまとめの研究を行った。最後に資料組織についての検討においても資料組織演習を学ぶための遠隔学習システムの構築を通じた研究のまとめを行った。
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