●DSCPプロジェクトにおけるSTISの完成 本年度は、本研究課題の根幹システムであるSTIS(時空間情報システム)の実装が完了した。WebGIS技術を基盤技術として、世界各地の文化遺産情報のアーカイブと共有資源化を可能とするために、利用のインターフェイスだけでなく、時間・空間情報の標準化を実施し、様々な地域の情報を格納できるシステムとして実装を実施した。 ●有形文化遺産調査における国際標準化 本年度は、研究協力者の津村らが進めてきたオマーン国における文化遺産調査に関し、外務省広報文化交流部国際文化協力室とオマーン国文化遺産省との共同声明のフォローアップ委託による調査・研究を実施した。有形文化遺産調査と情報化に関する国際協力を進めた。また、研究協力者の沈と山西大学言語研究所との共同研究を開始し、言語現象に関する無形文化遺産調査を実施したと同時に、その研究成果を国際学会にて報告した。その中で、無形遺産情報にSTISを適用する有用性を明らかにした。 ●文化遺産情報の多次元VR化 研究協力者の岡田らが中心となって進めている中国・敦煌莫高窟における壁画文化遺産のアーカイブに関し、新たに3DGISを基盤としたシステムの開発と実装を実施した。世界的にも新しいシステムであり、壁画劣化の時系列解析や空間相関などに関する分析も進め、日射条件と壁画劣化(退色や剥落)との関係について明らかにした。
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