研究分担者 |
齋藤 誠慈 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (90225714)
小倉 裕介 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (20346191)
山田 憲嗣 広島工業大学, 情報学部, 助教授 (70364114)
山本 裕紹 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 助手 (00284315)
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研究概要 |
本研究は,ナノスケール領域においてコンピュータ機能を実現するナノスケールオートマトンの開発を目標とし,その具体的な実証システムとして,鍵機能を有するセキュア分子画像メモリの試作を目的とする.特に,フォトニック技術を利用した能動的分子制御に基づくフォトニックナノスケールオートマトンの概念を具現化する新しい情報システムの構築をめざす.本年度は以下の成果が得られた. 1.フォトニック技術に基づくDNA操作法として,VCSELアレイや空間光変調器などの並列光制御デバイスと回折光学素子を組み合わせたハイブリッド型光トラップシステムを構築した.発光パターンや変調パターン切り換えによる動的三次元物体操作を実証し,本手法が光パターン制御に基づく分子メモリ操作に有用であることを明らかにした. 2.反応順序性を有するDNAをマイクロビーズ表面に結合し,チューブ内で階層的反応制御が行なえることを確認した.また,ビーズ表面のDNAと基板表面のDNAとの特異的インタラクションの光制御に成功し,フォトニックナノスケールオートマトンに必要な動作の一部を実証した. 3.フォトニックナノスケールオートマトンに適した暗号化アルゴリズムを設計した.分子の位置を状態に対応づけることで,メモリのロック/アンロック,情報の記録,暗号と復号を行う状態遷移を示した.状態遷移図を配置した2次元マップ上の位置により情報の記録と読み出しを制御するアルゴリズムを示した.複数の分子を並列にSIMD型で操作することで,アクセス痕跡が記録されるメモリの構成を設計した. 4.電子ビーム描画装置を用い,ピッチ5μm深さ6μmのフォトニックマイクロリアクタを試作した.エッチング装置により石英基板へのパターン転写を行なうため,最適条件の探索を継続的に進める.また,光造形装置を用いた作製法も併せて検討する.
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