研究課題/領域番号 |
18200022
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷田 純 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00183070)
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研究分担者 |
齋藤 誠慈 同志社大学, 工学部, 教授 (90225714)
小倉 裕介 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20346191)
山田 憲嗣 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任准教授 (70364114)
山本 裕紹 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (00284315)
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キーワード | ナノスケールオートマトン / 分子画像メモリ / 暗号・復号 / フォトニックDNA制御 / VCSELアレイ / DNAコンピューティング / マイクロリアクタ / 情報フォトニクス |
研究概要 |
本研究は、ナノスケール領域においてコンピュータ機能を実現するナノスケールオートマトンの開発を目標とし、その具体的な実証システムとして、鍵機能を有するセキュア分子画像メモリの試作を目的とする。特に、フォトニック技術を利用した能動的分子制御に基づくフォトニックナノスケールオートマトンの概念を具現化する新しい情報システムの構築をめざす。本年度は以下の成果が得られた。 1.前年度に構築した、空間光変調器と回折光学素子を組み合わせたハイブリッド型光トラップシステムにより、情報DNA結合ビーズ(DNAクラスタ)に対する局所的操作を複数位置で同時実行できることを実証し、画像メモリに必要なDNA群の空間並列制御能力を示した。 2.アゾベンゼン導入DNAを利用し、光信号入力に基づきDNA構造を遷移するための2種類の機構を考案した。一方はヘアピンDNAの連続反応を利用しており、光照射に応じて段階的に構造遷移が進行することを確認した。他方はDNAピンセットに基づくもので、10回の繰り返しに対してほぼ一定の効率で遷移が実行できることを示した。 3.フォトニックナノスケールオートマトンに適した暗号化アルゴリズムの設計と評価を進めた。分子の位置を状態に対応づけることで、暗号化と復号を行う状態遷移暗号の実現形態を議論した。状態遷移図を配置した2次元マップ上の位置により情報の記録と読み出しを制御するアルゴリズムにおける反応確率と状態数の割合を比較評価した。 4.I線ステッパを利用し、条件(1)ピッチ5μm深さ6μmおよび条件(2)ピッチ10μm深さ5μmのマイクロリアクタを設計・試作した。深さ方向が3μm程度で形状が円柱型ではなく、半球型となった。本試作デバイスを用いてDNAクラスタを操作できることを確認した。
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