研究課題/領域番号 |
18200022
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷田 純 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00183070)
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研究分担者 |
小倉 裕介 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20346191)
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キーワード | ナノスケールオートマトン / 分子画像メモリ / 暗号・復号 / フォトニックDNA制御 / VCSELアレイ / DNAコンピューティング / マイクロリアクタ / 情報フォトニクス |
研究概要 |
本研究は、ナノスケール領域においてコンピュータ機能を実現するナノスケールオートマトンの開発を目標とし、その具体的な実証システムとして、鍵機能を有するセキュア分子画像メモリの試作を目的とする。特に、フォトニック技術を利用した能動的分子制御に基づくフォトニックナノスケールオートマトンの概念を具現化する新しい情報システムの構築をめざして行なった。 1.前年度に示した光制御型DNAピンセットにおいて、照射光の波長や温度条件について検討し、構造の遷移速度を約10倍高速化することに成功した。 2.ヘアピンDNAとアゾベンゼン導入DNAを組み合わせ、入力記号2、内部状態2の任意の状態遷移を実現するオートマトンの実装方式を考案した。これを実現するために必要な、光信号入力に対して異なる応答をする4種類の反応系を設計した。合成DNAを用いた光照射実験により、光入力信号に対して所望の構造遷移が得られることを確認した。 3.状態遷移の繰り返し動作に利用するため、DNA構造変化を別のDNAの位置に変換する方式を検討し、DNA反応系に対する蛍光観察結果から、DNA構造に依存した位置情報が得られることを示した。 4.繰り返しDNA構造変化によるナノスケールオートマトンに対して、前年度に設計された画像の暗号・復号アルゴリズムの適用性を検討した。さらに、電気泳動を併用することでセキュア分子画像メモリの高機能化の可能性を明らかにした。 5.マイクロリアクタとして、電子ビーム描画装置およびドライエッチング装置を利用しSi基板にアスペクト比の高い構造を作製する方法を検討した。作製した構造物をモールドとしてシリコーンで型どりを行い、透明性の高い光硬化性樹脂によりマイクロリアクタを作製することができた。
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