研究課題/領域番号 |
18200032
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
原島 秀吉 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00183567)
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研究分担者 |
紙谷 浩之 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (10204629)
小暮 健太朗 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (70262540)
秋田 英万 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80344472)
馬場 嘉信 名古屋大学, 工学系研究科, 教授 (30183916)
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キーワード | 2型糖尿病 / 遺伝子デリバリーシステム / siRNA / GALA / IRO |
研究概要 |
(1) 白血球、肝臓、筋肉、脂肪組織における候補遺伝子の網羅的探索 : 2型糖尿病発症前の段階で糖尿病発症を予測する目的で、肝臓、脂肪組織、骨格筋の遺伝子発現量の変化を網羅的に解析した。その結果、既知の糖尿病関連遺伝子が4遺伝子(肝臓)、4遺伝子(脂肪)、2遺伝子(筋肉)が有意に発現変動しており、転写レベルで糖尿病の進行が進んでいた。そして白血球と糖尿病関連組織で合計57遺伝子が共に変動しており、白血球の遺伝子発現プロファイルの診断マーカーとしての有用性を示した。 (2) 肝臓を標的とする人工遺伝子デリバリーシステムの開発 : これまでは、ハイドロダイナミクス法によりsiRNAを肝実質細胞へ送達し、in vivo機能解析を行なってきた。しかしながら、繰り返し投与を行なうためには、安全かつ有効な人工遺伝子デリバリーシステムの開発が不可欠である。そこで、我々がこれまで開発してきたオクタアルギニン(R8)修飾-多機能性エンベロープ型ナノ構造体(MEND)の肝臓指向性を利用し、肝実質細胞で効率的に遺伝子発現可能なシステムの開発を行なった。その結果、MENDの脂質組成とエンドソーム脱出素子としてGALA(pH-感受性膜融合ペプチド)のコレステロール誘導体を用いることで、強力な遺伝子発現が可能となった。 (3) 血管透過型遺伝子デリバリーシステムの開発 : 我々が探索したIRQペプチドは、マウスの肺血管内皮細胞を選択的に認識することがあきらかとなった。そこで、IRQペプチドを標的リガンドとしてsiRNAを搭載したIRQ-MENDの細胞内動態を解析したところ、IRQ-MENDは膜融合を介さずにエンドソームを脱出し、遺伝子発現抑制効果を表すことが明らかとなった。
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