研究課題/領域番号 |
18200032
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
原島 秀吉 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00183567)
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研究分担者 |
紙谷 浩之 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (10204629)
秋田 英万 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80344472)
小暮 健太朗 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (70262540)
馬場 嘉信 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30183916)
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キーワード | 遺伝子デリバリー / エンドサイトーシス / トランスサイトーシス / 多機能性エンベロープ型ナノ構造体 / 血管透過 |
研究概要 |
本研究は、肝臓、筋肉、脂肪組織などの主要標的組織において2型糖尿病発症の前後で遺伝子発現が変動している遺伝子群の中で、サンプリングが容易な白血球においてもその変動を反映する遺伝子群を診断用候補遺伝子として網羅的に探索することを第一特の目的とした。その結果、DNAアレイ用いた網羅的解析により、肝臓では503遺伝子、脂肪組織では1432遺伝子、骨格筋では314遺伝子が発症前にもかかわらず遺伝子発現変動していることが明らかとなった。同時に、in vivoで機能する、肝臓や脂肪組織への遺伝子デリバリーシステムの開発を行った。その結果、静脈内投与により、肝臓で高い遺伝子発現を誘導できる革新的送達システムの開発に成功した。さらに、脂肪組織への遺伝子送達を確立するためには、脂肪組織の血管内皮を選択的に認識できるリガンドと、血管内皮細胞を透過可能なデリバリーシステムの開発が不可欠となる。本研究では、脂肪組織の血管内皮の初代培養に成功し、選択的なリガンドの開発が可能となった。また、ナノ粒子が血管内皮細胞を透過する過程を定量的に評価する系を世界に先駆けて確立し、トランスサイトーシス可能なリガンドの探索にも成功した。本研究により、肝臓はもとより、脂肪組織への遺伝子デリバリーシステムの開発を成功に導くための基盤技術が確立した。
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