研究課題/領域番号 |
18200033
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長崎 幸夫 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (90198309)
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研究分担者 |
大石 基 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助手 (90419242)
原 暁非 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 準研究員 (60422185)
吉本 敬太郎 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 講師 (60392172)
宮本 大輔 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 博士研究員 (30392145)
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キーワード | ハイブリッド密生層 / PEG / ブラシ / 免疫診断 / ELISA / 免疫沈降 / 分子認識 / センサー |
研究概要 |
我々は両末端に異なる官能基を有するヘテロ2官能性ポリエチレングリコール(ヘテロPEG)の重要性にいち早く着目し、様々な官能基を有するヘテロPEGの選択的かつ定量的な合成法を確立し、非特異吸着を抑制しつつ特異的認識能を示す表面を構築してきた。これは、鎖長増加に伴うブラシ密度の低下を短鎖PEGブラシで補うことにより、高密度ブラシが容易に作製されるためである。この表面を利用して抗体との共固定化を行い、その認識能を評価した。Fab'フラグメントを金表面に固定し、その周りに様々なPEG鎖ブラシを構築した結果、PEG鎖長が増すごとに非特異吸着が低下するものの、抗体の検出感度も低下した。しかしながらFab'を固定化した後に分子量5千のPEGブラシを固定化し、さらに2千のPEGで高密度化を行ったところ、高密度化に伴い非特異吸着をほぼ完全に低下させるだけでなく、抗体の検出感度を飛躍的に向上させる事がわかった。この様な現象は表面の活性エステル表面に抗体を固定化し、高密度PEGを固定した磁性ラテックスELISAにおいても同様に確認された。これは高密度PEG鎖によって界面に固定した抗体のリフォールディング等の現象が起こっていることを考えないと説明できない。この表面を「ハイブリッド密生層」と命名した。ハイブリッド密生法による表面構築技術は様々な免疫計測機器のセンシング部分作製の基盤技術として有用である。ハイブリッド密生層はオリゴ核酸分子を用いた場合にも有効であり、DNA/PEGを固定した核酸ハイブリッド密生層を利用した遺伝子センシング、治療に展開をしている。
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