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2006 年度 実績報告書

両親媒性高分子からなる極薄マイクロカプセルによる膵島の免疫隔離

研究課題

研究課題/領域番号 18200034
研究機関京都大学

研究代表者

岩田 博夫  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)

研究分担者 松本 慎一  藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (70359834)
寺村 裕治  京都大学, 工学研究科, 助手 (10365421)
佐藤 秀樹  京都大学, 再生医科学研究所, 研究員 (20378897)
興津 輝  京都大学, 医学部, 助手 (10378672)
キーワードランゲルハンス島 / 膵島 / カプセル化 / ポリエチレングリコール / ポリビニルアルコール / 長鎖アルキル鎖 / インスリン / 交互積層法
研究概要

カプセル化用素材として、末端に各種カチオン性基を有する新規ポリエチレングリコール(PEG)脂質を、また、側鎖に長鎖アルキル鎖とチオール基を有するまたチオール基のみを有するポリビニルアルコール(PVA)を合成した。膵ランゲルハンス島(膵島)は、コラゲナーゼ法にてハムスター膵臓から分離生成した。膵島をこれらの水溶液に接触させると、長鎖アルキル鎖部分が細胞膜に挿入され、高分子鎖が細胞膜上に固定される。末端にカチオン性基を有するPEG脂質を用いた場合には、細胞膜修飾をより安定にするために、導入したカチオン性基を足場として、反対の負の電荷を有する高分子であるアルギン酸やカルボキシルメチルデキストラン、次いで、正の電荷を有するポリリシンやポリエチレンイミンなどとのポリイオンコンプレックス形成による交互積層法にて極薄膜を作成し、膵島のカプセル化を行った。ポリビニルアルコール(PVA)を用いた膵島表面の修飾においては、長鎖アルキル鎖部分が細胞膜に挿入されることで第一PVA層が形成される、次いでPVAのチオール基間でのジスルフィド結合の形成により、多層のPVA層を形成させた。膵島表面修飾の確認は、PEG-脂質またPVAを蛍光色素FITCラベルし、この高分子を用いて処理した膵島を蛍光顕微鏡で観察することで行った。蛍光顕微鏡観察では蛍光色素が存在する部分の厚さは大きめに評価してしまうが、それでも厚さは10μ・m以下であり、極めて薄い高分子層で膵島をカプセル化することが出来た。さらに、カプセル化した膵島のインスリン分泌能を評価するため、in vitroグルコース付加試験を行ったところ、未処理膵島とほぼ同じようにグルコース濃度に応答してインスリン分泌量を変化させた。上記方法は、膵島機能にほとんど悪影響を及ぼさない優れたカプセル化である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Possibility of insulin-producing cells derived from mouse embryonic stem cells for diabetes treatment.2007

    • 著者名/発表者名
      Ibii T, Shimada H, Miura S, Fukuma E, Sato H, Iwata H.
    • 雑誌名

      J Biosci Bioeng. 103・2

      ページ: 140-146

  • [雑誌論文] Encapsulation of islets with ultra-thin polyion complex membrane through poly(ethylene glycol)-phospholipids anchored to cell membrane.2006

    • 著者名/発表者名
      Miura S, Teramura Y, Iwata H
    • 雑誌名

      Biomaterials 27・34

      ページ: 5828-5835

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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