研究概要 |
本研究では,低体力高齢者の健康づくり方法として,体幹深部筋(腸腰筋など)をはじめ,体幹部および四肢の筋群を無理なく強化することができ,動作の学習および動作の質(QOM)を高める内容をもったパワーアシスト型トレーニングマシンを新たに開発し,低体力状態にある人にとって実行できる新しい形のトレーニングシステムを開発すると共にこれらのトレーニングシステムを用いた時の効果を評価する方法を開発することに主眼をおいた。 今年度新たに開発したトレーニングマシンは,(1)パワーアシスト式体幹底部筋群強化トレーニングマシンと,(2)パワーアシスト式舟漕ぎマシンである。また,体幹筋力を測定する装置として,(3)QOM体幹筋力評価測定装置を開発した。 (1)は骨盤底部筋および骨盤周辺に付着する筋群を前後関脚運動および左右開脚運動によって各個人の可能な最大開脚角度まで開脚し,スムーズに脚を閉じる運動を繰り返しリズミカルに実施できる装置である。脚の開閉運動の速度および運動範囲(角度)があらかじめ調節可能でおり,無理な動きが生じないようにパワーアシスト装置によってコントロールされる。(2)は,座位および立位姿勢で和舟漕ぎ運動が可能なものであり,自動的にコントロールされた取っ手(アーム)の動きに合わせて両手でアームを引いたり押したりする運動を繰り返すもので,自分自身で歩行することができない状態にある人にも運動が可能なように考慮されたトレーニングマシンである。(1),(2)を用いてトレーニングを実施した低体力高齢者を対象にして,その効果を(3)によって評価した。また,動作の改善効果についてはビデオ解析を実施した。
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