研究課題/領域番号 |
18200042
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研究機関 | 弘前学院大学 |
研究代表者 |
吉岡 利忠 弘前学院大学, 社会福祉学部, 学長 (50056933)
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研究分担者 |
片桐 展子 弘前学院大学, 看護学部, 講師 (30075428)
後藤 勝正 (山下 勝正) 豊橋創造大学, リハビリテーション学部, 教授 (70239961)
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キーワード | 骨格筋 / 可塑性 / 免疫 / 筋衛星細胞 / シグナル伝達 |
研究概要 |
骨老化ならびに発育傷害やスポーツ活動中の不慮の事故等による骨格筋線維の萎縮や機能低下は、Quality of Lifeの著しい低下を招く。さらに疾病など健康の維持に問題が生じ、医療費の増大につながる。したがって、予防介護の観点からも、骨格筋線維の萎縮や機能低下を抑制することは重要なテーマである。同様に、健康・スポーツ領域においても、骨格筋量や機能の維持はきわめて重要である。本研究では、免疫系と筋衛星細胞の役割に着目し、骨格筋の萎縮や機能低下、ならびにそれらの回復・再生におけるマクロファージ、サイトカインおよび筋衛星細胞の役割解明を目指す。さらに、筋の回復・再生を助長させるための衛生細胞の増殖・分化促進策を細胞内シグナルの視点から検討する。本研究は4年計画で実施され、本年度はその2年目に当たる。筋再生時、筋肥大時および筋萎縮時に特異的に発現するあるいは発現が変化するタンパク質の同定するためにプロテオーム解析を行った。その結果、筋再生時に減少するスポットが17スあり、そのうち7スポットが完全に消失していた。一方、増加するスポットは19有り、内7スポットは筋再生時に特異的に出現した。温熱負荷による筋肥大時には多くのスポットで増減が認められた。中でも筋肥大に先立って増加する低分子量たんぱく質が同定された。また、筋再生時および肥大時において活性化させる細胞内シグナルとしてインターロイキン6(IL-6)およびNF-κBの関与が示唆された。さらに、温熱刺激ならびにストレスタンパク誘導剤によるストレスタンパク質(HSP72)の発現誘導が骨格筋細胞の分化を促進することが示され、細胞内シグナル伝達におけるHSP72の関与が強く示唆された。
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