研究課題
平成19, 20年度と同様、平成21年度も本研究のフィールドである「岩木健康増進プロジェクト」において、約500名分の腸内細菌(ターミナル-RFLP法を応用した長島法、制限酵素はs1Iを使用)、アレルギー(耳鼻科・眼科領域、呼吸器、皮膚科領域)出現状況及びそれに関連した社会環境因子(肥満、喫煙状況、飲酒状況、運動習慣、食習慣、睡眠状況など)の測定を行った。長島法では、腸内細菌を29のクラスターに分類できる。その結果、耳鼻科・眼科領域のアレルギー出現に多くのクラスター(全体のクラスタと106、124、168、423、469、494、505、919、968)が関与していることが明らかになった。一方、皮膚科領域、呼吸器のアレルギーではそのような有意な関連は観察されなかった。以上よりこれまで明らかでなかった腸内細菌叢とアレルギーとの関連性(アレルギーの部位別に)の一端が明らかにできる可能性が膨らんできた。今後はこれらのクラスターにどのような細菌が含まれるかを明らかにし、また各クラスタ間の相互作用を加味した'分析を行う必要がある。一方、同時期ガスクロマトグラフィーで測定した呼気ガス成分(水素、一酸化炭素、メタン、エチルアルコール、アセトン、イソプレン)と腸内細菌との間に有意な関連性がみられた(とくに水素)。次年度以降は、呼気ガス・腸内細菌・アレルギーの三者の関連を詳細に解析することで、腸内細菌とアレルギーの関連を明らかにしたい。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件) 図書 (1件)
Helicobacter 14(2)
ページ: 87-90
Luminescence 23(3)
ページ: 132-8
Sleep Med 9(7)
ページ: 745-52