研究分担者 |
池上 祐司 独立行政法人産業技術総合研究所, デジタルものづくり研究センター, 招聘客員研究員 (50425609)
渡辺 泰成 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 客員教授 (70087401)
山澤 建二 独立行政法人理化学研究所, 先端技術基盤部門, 先任技師 (50344057)
大内 進 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 企画部, 上席総括研究員 (40321591)
金子 健 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 企画部, 主任研究員 (40260020)
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研究概要 |
今年度の大きな成果は、新規に開発した立体模型と海外調査の2つである。立体模型から述べる。(1)エッシャーパターン「木」:これは1種類のピースだけを用いて3次元空間を完全充填することが出来る。ピースの配置は、周期構造となっており、結晶学の空間群を用いて記述できる。ナイロン粉末を用いた積層造形法による模型を作製し、国際結晶学会議(8月・大阪)にて発表し、好評を博した。(2)準正多面体の完全セット(16種類):準正多面体は、13種類と数えられることもあるが、[3,4,4,4]に関してはもう1つミラーの多面体が存在し、[3,3,3,3,4]および[3,3,3,3,5]に関しては、それぞれの鏡像異性体が存在するので、これらを全て含む16種類の模型をナイロン粉末の積層造形で作製した。石膏粉末を用いた場合よりもエッジの鋭さが良く表現されている。(3)円の回転運動により生成される2つの曲面:1つはミスドーナツと名付けられた曲面であり、水平面に対し45度傾けた円を水平面と垂直な軸の周りに180度回転させて得られる。もう1つは、ある水平な軸の周りで円を水平に保ったまま360度回転させて出来る曲面である。どちらも空間内の軌跡が作る曲面であり、空間幾何学に新しい視点を持ち込むものである。海外調査は、10月にミラノ盲人協会、オメロ美術館、アンテロス美術館、ルーブル美術館、パリ盲学校、ルイブライユ生家博物館、科学産業展示館を視察した。いずれも視覚障害関連施設および視覚障害者バリアフリーに取り組んでいる一般の施設である。本プロジェクト内で詳細な視察報告書を作成し、その要旨が月刊「視覚障害」にて2009年に連載される。
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