研究課題
平成18年度の活動は、ほぼ、予定された線に沿って行われ、組織的なオーラルヒストリーの実施からアーカイブズによる公開までの一連の方法が確立した。今後の試行によって多少の修正をほどこすことによって、確立した方法を提示できる見通しがついたと言える。オーラルヒストリーの試行:加藤が以前まとめた「総研大におけるオーラルヒストリーの展望」をベースに、周辺のシニアな科学研究者にオーラルヒストリーを試行した。特に大学共同利用機関の女性研究者多数に行った。組織的オーラルヒストリーの事務的手順の確立ネバダ大学の研究者を招へいし、オーラルヒストリーを組織的に行う上でのマネージメント(インタビュイーの確定、承諾、実施、映像撮影、テープ起こし、結果のアーカイブズ化)について学び、遂行手順を確立した。アーカイブズと公開のシステムを検討。個人情報の保護、肖像権、著作権の明確化、記録の公開に関するインタビュイーの同意のとりかた、などの倫理的諸点も検討し、米国における例を参考にして、同意書の原型をほぼ確定した。オーラルヒストリアンの養成:オーラルヒストリー講座を試行し、プロジェクトへの参加、協力者を募った。オーラルヒストリアンの養成プログラムを検討した。ターゲットとなるプロジェクトの検討:高エネルギー加速器研究機構のPSプロジェクト、国立天文台のすばるプロジェクトに絞って、くわしい情報を収集した。前者については研究分担者の湯川が理論グループについての情報を整理し、氏の研究分担予定を完了した。オーラルヒストリーにおける人類学的、社会学的なテーマに関する質問項目について検討した。特に、研究者をとりまく各種社会について検討した。