研究課題/領域番号 |
18201008
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森本 幸裕 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (40141501)
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研究分担者 |
中村 太士 北海道大学, 農学研究院, 教授 (90172436)
夏原 由博 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (20270762)
鎌田 磨人 徳島大学, 工学部, 助教授 (40304547)
小林 達明 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (40178322)
遊磨 正秀 龍谷大学, 理工学部, 教授 (80240828)
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キーワード | 自然再生 / 生態系評価 / 生物多様性 / 氾濫原 / 臨界自然資本 / 孤立林 / 生態的ネットワーク / 生態系サービス |
研究概要 |
国内外で進められつつある自然再生事業について、優先すべき地域の選定方法と適切な再生手法、生態系評価手法の開発に資するべく、ケーススタディを積み重ねるとともに、生態系サービスの適切な評価のための文献調査、先行研究の検討整理を行った。全国39地域から採集したカスミサンショウウオについて、ミトコンドリアDNAの遺伝的距離と形態変異によって11集団の保護単位を検出した。土地利用基本計画図に基づく土地改変リスクに対する相対的な絶滅リスクと保護上の優先順位付けを行った。遺伝マーカーを使って過去の孤立林の連続性を評価することによって緑地のネットワーク回復の適地を抽出する手法の開発に着手する一方、広域スケールにおける生物多様性評価手法の整理を行った。徳島県上勝町の千年の森において進められている自然林再生の手法、および徳島県で絶滅の危機に瀕している水辺植物の潜在的生育域を広域的に推定するための手法を検討した。アラル海旧湖底域での自然再生ポテンシャル評価のための現地調査、豆満江下流での自然再生ポテンシャル評価のためのCORONA衛星画像解析に着手した。安曇川における遡上魚類の調査と琵琶湖岸における潜水調査の結果、在来魚が外来捕食魚からの捕食を回避する生息場所としての岸辺緩傾斜砂礫帯の重要性などが示唆された。河川・湖沼ならびに氾濫原の再生事業を、植物、水生動物の観点から検討し、河川の変動と安定性のバランスの重要性が明らかになった。安定同位体を使って、再生事業(蛇行実験)後の食物連鎖網の解析、火山灰や放射性同位体を使った編年法を湖沼や氾濫原堆積物に適用し、過去の生態系の推定を試みた。都市内自然再生地における草本植物相のモニタリング調査と、周辺の残存緑地内の草本植物の分布パターンから、都市における自然再生の特徴と課題を明らかにした。東京湾干潟では、トビハゼのHSIモデルを作成した。
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