研究課題
基盤研究(A)
2003年に我が国で自然再生推進法が施行されたが、そのための技術、体制、成果の評価、さらに自然再生の優先順位という課題が山積している。そこで、これまで環境影響評価における生態系ミティゲ-ション(自然環境保全措置)のためのHEP(生物生息環境評価手順)の開発に関する科研研究で、タ-ゲットとすべき絶滅危惧種の遺伝的多様性から群落の多様性、景観の多様性も踏まえた生物生息環境評価の道筋を明らかにしてきた。この考えは、立地環境のポテンシャル評価を行なうため、自然再生事業の計画と評価にも応用可能である。そこで、この研究の展開として、現在緊急を要する自然再生事業の実践課題を支援する目的で「階層的な自然再生のグランドデザインに関する研究」を行う。これはつぎの2部分からなり、どちらかといえば前者は再生に関して、後者は保全に関して適地の抽出に寄与し、両者をあわせて階層的な自然再生グランドデザインに必要な枠組み、資料、手法を検討し、試案を提示することを目的としている。(1) 自然再生事業地域のスクリ-ニングとデザイン : a.広域を対象に再生事業必要地域を客観的に抽出評価する手法に関わるもの、b.ランドスケ-プレベルの計画手法に関するもの、c.サイトレベルの工法・デザイン支援デ-タベ-スに関わるもの、である。スタディエリアは北海道(中村)、近畿圏(森本・夏原・今西)、アラル海流域(森本)、琵琶湖水辺(遊麿)、四国を中心とする農山村地域(鎌田)、東アジアの干潟(小林)、図們江(ロシヤ/中国/北朝鮮国境付近)湿地帯(森本)である。(2) 生態系サ-ビス評価に基づく臨界自然資本の識別 : これまでの生態系サ-ビス評価は「人間がやってはいけないこと・踏み込んではいけない領域」すなわち臨界自然資本を識別していないことが多い。そこで、まず生態系サ-ビスの評価における階層性の観点から、これまでの研究事例の再評価を行う。
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