研究課題
鉄-ヒドロキシフェニルポルフィリン触媒(FeTPP(OH)_4)の自己分解の抑制とペンタクロロフェノール(PCP)など難分解性有機塩素化合物の酸化分解に対する触媒活性の向上を目的として、この触媒の共有結合による腐植酸への導入に関してさらなる検討を行った。昨年度、FeTPP(OH)_4を腐植酸ヘホルムアルデヒド縮重合反応で導入したが(この触媒をResolとする)、ResolのようにCH2基のみの架橋だけではなく、アミノ基(Urea-Resol)、エーテルそしてフェニル基による架橋も試みた。まず、アミノ基による架橋を行うため、ホルムアルデヒド縮重合反応において、尿素を添加した。その結果、自己分解速度も2倍程度の遅延効果を示し、PCPに対する分解率も10%程度向上した。次に、FeTPP(OH)_4を腐植酸ヘエーテル結合で導入する際に反応を阻害するカルボキシル基をメチルエステル化によりマスクし、アルキル鎖を介してFeTPP(OH)_4と腐植酸をエーテル架橋できた。自己分解の遅延やPCP分解率の向上はResolやUrea-Resolに比べ大きくなかったが、アルキル鎖の長さが長いほど触媒活性が高くなるとの知見を得、触媒と基質との相互作用が触媒活性向上の一因子であることを見出した。また、腐植酸をヒドロキノンで修飾しホルムアルデヒド縮重合反応によりFeTPP(OH)4を導入した(この触媒をHQ-HA-Feとする)。自己分解の遅延効果およびPCP酸化分解に対する触媒活性は、これまで合成してきた触媒の中ではこのHQ-HA-Feが最も高かった(自己分解速度はFeTPP(OH)_4だけに比べ、13-15倍遅延し、PCP分解率は90-100%を達成した)。しかし、PCPのCO_2までの完全分解は困難であった。
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