研究課題/領域番号 |
18201014
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石田 秀輝 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10396468)
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研究分担者 |
井奥 洪二 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (60212726)
前田 浩孝 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (20431538)
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キーワード | 環境材料 / ナノ材料 / 人間生活環境 / 二酸化炭素排出削減 |
研究概要 |
本研究では、地球内部で起こっている続成作用のメカニズムを工学的に応用した200℃程度の水熱合成法を用いて、低環境負荷合成による高機能環境親和材料の合成と応用方法の検討を行っている。あるサイズのナノ細孔を有するセラミックスは、毛細管凝縮による水蒸気の吸放出特性や、有害ガス吸着特性を有することが知られている。ナノ細孔を有する多孔体を水熱合成法により作製し、住空間の内装材として応用することで安全・安心・快適な室内環境を創出できると考えられる。本年度は、昨年度合成を検討したナノ細孔を有する多孔体のガス吸着特性の評価を行った。カオリナイト、あるいは、メタカオリナイトと消石灰、石英を用いて水熱処理を施すことで、3-20nmの細孔を有する多孔体の合成に成功した。水蒸気の吸着-脱着試験結果より、材料の細孔容量だけでなく、水蒸気と材料の親和力や細孔径分布が、調湿性能に対して重要な役割を担うことを見出した。また、ゼオライトと消石灰を混合した成型体を水熱処理して合成した固化体は、ゼオライトに由来するサブナノサイズの細孔と水熱反応によって生成した析出物に由来するナノサイズの細孔を有した。この材料は、アンモニアガスやシックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒドを短期間で吸着した。これは、ゼオライト単体よりも優れた特性を示しており、高い有害ガス吸着特性を有することを明らかにした。
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