研究分担者 |
稲垣 敏之 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (60134219)
綱島 均 日本大学, 生産工学部, 教授 (30287594)
丸茂 喜高 日本大学, 生産工学部, 助手 (00409088)
鈴木 桂輔 大同工業大学, 工学部, 助教授 (80373067)
安部 原也 日本自動車研究所, 予防安全研究部, 副研究員 (30426259)
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研究概要 |
(1)ドライバ心的状態の評価に有用な非拘束運転行動観測技術の開発 (i)心的状態の変化による運転行動への影響の個人差を数種類に分類することを目指し,シミュレータ上での計測実験を行って運転行動データを蓄積した.とくに,実用性の高い圧力分布計測システムを導入し,実路を含む運転中の姿勢計測を行い,ACC使用時の加速が圧分布の変化に影響することを明らかにした. (ii)脳機能イメージング法である機能的近赤外分光法(fNIRS)を用いてドライバの脳を計測し,運転に対する脳活動を計測できるかどうか検討した.簡易ドライビングシミュレータを用いて,コース上の目標位置まで走行する実験を行った.計測したfNIRS信号に対して多重解像度解析を行い,タスクに関連した変動成分を抽出,脳機能画像を作成した結果,走行中に前頭前野背外側部付近の活動の上昇を観測することができた. (iii)指尖脈波に着目し,そのゆらぎを定量化する指標であるリアプノフ指数から,運転中の心理的負担の程度を推定する妥当性について検討した.運転シミュレータを用いて心理的負担の高い状況と低い状況を設定し,被験者22名により調査を行った結果,15名において心理的負担の高い状況でリアプノフ指数が上昇し,心理的負担の低い状況との間で有意差が確認された. (2)運転不可軽減システム使用時の状況認識強化支援 負荷軽減のための運転支援システム使用時に交通状況が定常的でなくなった場合にできるだけ早期に安全な状態を確保するための状況認識支援の方法を,自動化レベルの観点と関連させて検討した. (3)マニュアル走行時の状況認識強化支援 個々のドライバの運転特性に応じた警報は安全性を向上させ,システムに対する信頼も確保できることが明らかになった.ただし,アクセルやブレーキの操作時間に特徴的な傾向を持つドライバは平均的なドライバとは異なるタイミングを設定する必要があることもわかった.
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