研究課題
本プロジェクト「脳を標的とするケミカルバイオロジー:効率的に脳移行する脳腫瘍治療薬の分子デザイン」においては、血液脳関門に発現しているABCトランスポーター(ABCB1,ABCG2等)の基質にならず、効率的に脳移行する新規脳腫瘍治療薬の分子デザインを実施してきた。また、これらトランスポーターを阻害する薬をデザインし、制癌剤が脳腫瘍に到達できるようにするために、実験的および定量的構造活性相関解析を行った。具体的には、ABCB1の基質特異性を定量的に解析するために、50種類の化合物を用いてABCB1のATPase活性を測定し、基質認識に重要な官能基を同定した。その定量的解析の際に、我々は化合物の構造をChemical fragmentation codesで記述することにより定量的構造活性相関解析を行う独自の方法を開発した。更に一塩基多型によってABCB1の基質特異性がどのように変化するのかについても、同様の解析を行った。このような遺伝子多型に関する詳細な解析は世界初の偉業である。その研究成果は次の論文に発表されている。(Sakurai, et. al. Quantitative SAR analysis and molecular dynamic simulation to functionally validate nonsynonymous polymorphisms of human ABC transporter ABCB1. Biochemistry46(26):7678-7693,2007.)この研究成果に基づいて、遺伝子多型を持つ患者においても血液脳関門を通過して脳腫瘍をターゲットする制癌剤の分子デザインが可能になった。
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