研究課題/領域番号 |
18202004
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大橋 一章 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80120905)
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研究分担者 |
李 成市 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30242374)
小野 佳代 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (60386563)
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キーワード | 仏教美術 / 樹種 / 材質分析 / X線分析 / 年輪年代 |
研究概要 |
本年度は、国内産のクスノキ、および中国産のクスノキのサンプルを多数入手し、X線複合分析装置(XRDF)を用いた分析を行い、データの蓄積を行った(小野、櫻庭)。すなわち国内産では、鹿児島県産、奈良県西吉野産、岐阜県養老産、熊本県上益城郡産、熊本県金峰山産のクスノキを用い、中国産では、中国・江西省鷹潭産、中国・湖南省張家界産の油楠、山楠、臭楠等を用いた。 また2009年2月には、韓国の済州島にポータブル型X線分析装置を持ち込み、済州島自生のクスノキに対して現地調査も行った(大橋、櫻庭)。 現在は中国、韓国、日本におけるクスノキのX線分析のデータの蓄積を行っているが、有効なデータが得られた際には、X線分析法を木質文化財に応用していくことができるばかりか、クスノキ製の仏像が制作された飛鳥・白鳳時代における仏教の受容・伝播の様相をも探ることができると考えている。 本研究に参画しているメンバーによる研究成果の一端は、2008年9月13日(土)に早稲田大学小野記念講堂で開催された国際シンポジウム「文化財の解析と保存への新しいアプローチV」の場で発表が行われた。(林南壽「韓国乾漆像の制作技法にみえる-特徴」、大西修也「新羅・皇龍寺金堂の造営計画を検証する」、光谷拓実「長野県池口寺薬師堂および木彫仏の年輪年代調査」、小野佳代「国産クスノキ材・心材部のX線分析-同一材における主要元素の推移-」、櫻庭裕介「XRDF装置を用いた中国小金銅仏の分析-服部コレクションを中心に-」)。 さらに、2009年3月には一年を通じた成果報告として『奈良美術研究』第8号を刊行した。
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