研究課題
1.研究目的に対する本年度の研究の位置づけ18年度は、資料のデジタル画像化の前提となる網羅的な書誌調査を実施した。これはデジタル画像の公開と目録作成という最終目的達成のために欠かせない基礎作業である。新出資料の発見などにより若干の計画変更を迫られたものの、全体計画に影響のない範囲にとどまる見込みである。以下、実施計画の5項目と対応させて研究の概要を述べる。2.本年度の活動(1)書誌調査 研究会議(18年6月25日)における活動方針確認をふまえ、月1回、毎回3〜4日間のペースで全8回にわたる書誌調査がおこなわれ、研究協力者も含めて毎回10名程度の調査メンバーが参加した。当初12月に完了する予定だったが、19年5月までかかる見込みである。その理由は、第一に調査開始後に観世家の倉庫等から新たに2000点ほど新出資料が発見されたこと、第二に、資料撮影の準備として、従来調査に基づく仮目録では不完全な情報にとどまっている各資料の正確な丁数調査、及び各資料の撮影価値の五段階のランク付けという追加作業の必要性が認識され、これを実施したことである。この追加作業の中間結果に基づき、下記(5)の資料撮影について次のような方針を定めた。(1)近代の謡本や一般出版物など、文庫独自の資料としての価値が低いものは撮影から除外する。(2)要撮影資料(推定10万コマ)は、モノクロ・マイクロフィルム撮影をおこない、下位3ランクの資料はフィルムスキャンによりデジタル化をおこなう。(3)上位2ランク(推定6万コマ)の貴重資料は、資料から直接カラー・デジタル撮影をおこなう。(2)データベース更新(3)資料保存状況の改善 どちらも書誌調査と並行して順調に進行した。(4)仮目録作成と文庫の公開 これを実施するためには書誌調査が完了する必要があるが、上記(1)で述べたように、書誌調査が19年度に持ち越されたため、これに伴って19年度に延期せざるを得ないことになった。(5)資料撮影 合見積をふまえた業者選定会議(19年1月23日)により、国際マイクロ写真工業社に撮影を委任。書誌調査の終了した貴重資料から、順次カラー・デジタル撮影を開始する方針を定め、19年2月19日に、調査メンバーのうち松岡、小川、横山の立ち会いのもとで、資料撮影のための第1次納品がおこなわれた(1-13箱:2万3千コマ程度)。19年度前半にかけて、貴重資料の残り3万7千コマ程度を、順次デジタルカラー撮影する。
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十二世山階弥右衛門襲名披露能パンフレット(山陰家刊)
ページ: 12-15
国文学 解釈と教材の研究 51巻11号
ページ: 39-47
檜垣をめぐって(観世宗家刊)
ページ: 1-9