研究課題
(1)書誌調査観世文庫資料の撮影の前提となる書誌調査については、前年度からの作業を継続し、平成19年5月までに、一通り網羅的な調査を終えることができた。この調査では、従来の仮目録では不完全な情報にとどまっている各資料の丁数などを正確に把握し、明らかな誤情報を修正すると共に、撮影にあだっての優先順位を付け、撮影箇所や注意点の指示などをまとめた。(2)資料撮影上記の書誌調査において、全資料の撮影コマ数の概略を把握するとともに、各資料の撮影価値に対する5段階評価を行い、それに基づき資料撮影計画を立てた。撮影業者は入札により選定した国際マイクロ写真工業社である。撮影にあたっては、まず近代の謡本や一般出版物など、文庫独自の資料としての価値が低いものは撮影から除外した。要撮影資料(計8万4千コマ余り)の全てを、モノクロ・マイクロフィルム撮影したうえで、下位3ランクの資料はこのマイクロフィルムのスキャニングでデジタル化をおこなった。また、上位2ランクの貴重資料(計2万千コマ余り)は、再度資料からカラー・デジタル撮影をおこなった。19年度を通して大方の資料の撮影を終え、解題目録執筆とWeb上での資料公開のためのデジタル画像データを用意することができた。ただし、貴重書と軸物の撮影は20年度に計画されている。また、新たに発見された資料と、撮影価値を見直してカラー撮影をし直す必要があると判断された資料が出てきた。これらは19度中の撮影が間に合わないため、19年度予算の一部を平成20年度に繰り越して、引き続き撮影をおこない、平成20年12月に撮影を完了した。(3)データベース更新書誌調査・資料撮影と並行して、この書誌調査の結果をファイルメーカーのデータベースに入力し、さらにデータベース自体の利便性を高めるためのメンテナンスをおこなった。(4)目録作成のための調査と原稿作成業者から納品される画像データを、逐次、研究分担者・研究協力者に配布した。研究分担者及び研究協力者は、この画像データをパソコンモニタ上で閲覧し文献を解読することができるようになったので、解題目録の原稿を作成する作業に着手した。この作業は、平成20年度および平成21年度前半にわたる予定である。
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無形文化遺産研究報告 2
ページ: 286-265
ZEAMI 4
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古典日本語の世界-漢字がつくる日本
ページ: 155-183