研究課題/領域番号 |
18202008
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
城 眞一 東京医科大学, 医学部, 教授 (60424602)
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研究分担者 |
平野 嘉彦 東京大学, 名誉教授 (50079109)
金子 元臣 大阪大学, 大学院・言語文化研究科, 教授 (10081605)
吉川 信 和光大学, 表現学部, 教授 (70243615)
戸田 勉 山梨英和大学, 人間文化学部, 教授 (90217505)
夏目 博明 青山学院大学, 法学部, 教授 (60172574)
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キーワード | 言語危機 / 国際研究者交流 / アイルランド:ドイツ:チェコ / フリッツ・マウトナー / ライナー・マリア・リルケ / フランツ・カフカ / ウイリアム・バトラー・イェイツ / ジェイムズ・ジョイス |
研究概要 |
年次課題「言語危機」のもと、(1)研究報告集会(2)学会報告(3)研究論文の発表を中心に活動を実施した。//(1)箱根集会('07年8月9日〜11日、於ホテル箱根アカデミー)研究発表:河中正彦「言語危機 序説1」、平野嘉彦「フリッツ・マウトナーの言語思想」、城眞一「リルケにおける詩的言表の構造」、夏目博明「ゲール語滅亡の危機と保存運動」、吉川信「『ユリシーズ』における語り手」、戸田勉「『フィネガンズ・ウェイク』の重層性」/伊豆集会('07年10月26日〜28日、於伊東「山岸園」)招聰講演:ミホール・オシール「リルケとイェイツ」、「詩人としてのベケット」、研究発表:吉川信「都市ダブリンからの視点一『ユリシーズ』第7挿話の異質性」、河中正彦「言語危機 序説2」/関西集会('08年3月8日〜10日於神戸チェコ共和国名誉領事館、大阪大学石橋キャンパス)講演:平野嘉彦「ボヘミアの<儀式殺人>」、研究発表:金子元臣「Urzidilとプラハ」、吉川信「イェイツの薔薇」、平野嘉彦「リルケの薔薇、もしくはナショナリズムの不能-イェイツと照合しつつ」//(2)ジェイムズ・ジョイス協会第19回大会('07年6月16日、於青山学院大学)世話人:夏目博明、シンポジウム「ジョイスと都市/ジョイスの諸都市」(別紙「研究発表」参照)//(3)別紙「研究発表」参照。なお(1)には竹腰祐子(研究協力者)、藤田教子、宮崎直美らが参加した。 一連の活動によって「言語危機」の本質がマラルメとニーチェに遡って解明された。「二都」出身の詩人に共通する「言語懐疑」からの創造が、隠喩や換喩の独自性を産み(リルケ、イェイツ、カフカ等)、テキストの「重層性」を招くこと(ジョイス、リルケ、カフカ等)が指摘された。政治、宗教、言語、民族の各領域で対立抗争が絶えなかった両都市では、とくに言語象徴が詩人たちによって先駆的に相対化され、客体化され、志向されたこと、彼らは自明の母語に護られることなく「故郷」を失い、言葉と事物への原初的問いから出発せざるを得なかったことが確認された。
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