研究課題/領域番号 |
18202009
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
西 成彦 立命館大学, 大学院・先端総合学術研究科, 教授 (40172621)
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研究分担者 |
崎山 政毅 立命館大学, 文学部, 教授 (80252500)
木村 一信 立命館大学, 文学部, 教授 (20105365)
久野 量一 法政大学, 経済学部, 准教授 (70409340)
林 少陽 東京大学, 教養学部, 准教授 (20376578)
細見 和之 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (90238759)
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キーワード | 近代性 / 植民地主義 / モダニズム / 前衛芸術 / ディアスポラ / 移住 / 亡命 / 難民 |
研究概要 |
本年度は最終年度ということもあり、また研究分担者の単著が続々刊行されていることを受けて、合評・書評会を中心に、研究会のプログラムを組んだ。 5月30-31日に法政大学で開催した研究会では、「大連モダニズム」と「日中の新感覚派」をめぐってミニシンポジウムを組み、1920年代から1930年台にかけての東アジア地域における人的移動とモダニズム文学運動の連動性について徹底的に討議した。これまでの研究会ではヨーロッパ・北米・中南米に議論が偏りがちであったのに対して、本格的に東アジアを取り上げられたのは収穫だった。 また書評会では、大平具彦氏の『20世紀アヴァンギャルドと文明の転換』を取り上げ、大西洋を挟んで新展開を見せた「20世紀アヴァンギャルド」の越境性に、日本出身のアーチスト、荒川修作が接続されるという大平氏独自の歴史記述をめぐって、活発な議論を行った。 つづいて、11月14-15日に立命館大学で開催した最終の研究会では、中川成美氏の『モダニティの想像力-文学と視覚性』と、李静和(編)『残傷の音-アジア・アート・政治の未来へ』を取り上げ、日本モダニズムの変容を視覚性の観点からとらえなおす斬新な試みに対して、さまざまな応答可能性を探ったほか、沖縄戦や朝鮮戦争など、20世紀東アジア地域での暴力の後遺症に対してアートがどのように立ち向かってきたかをめぐる総括をおこなった。 4年間の活動成果は、すでに多くの著書や雑誌論文のなかで随時公表済だが、未発表論文に関しては、立命館大学国際言語文化研究所の紀要『言語文化研究』22巻3号に特集を組んで掲載することが決まっている。
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