研究課題
前年度に引き続き・以下のA〜Dについて研究活動を行ない・一定の成果を得た。それぞれ・次年度以降・継続して研究活動を展開し・所期の目的を達成する予定である。A 蝋管等初期録音資料の音声復元方法の開発:蝋管等の保存状態・形態等に応じ・最適な音声復元が可能となるよう・触針およびレーザービーム反射光・低コヒーレンス干渉計・マイクロフォーカスX線CT・CCDカメラを利用した再生方式について・基礎的な実験を行ない・多くの新たな知見を得た。また・既開発の触針・レーザー切替可能な再生機を改良し・様々な規格の蝋管の再生が可能となるようにした。B 蝋管等初期録音資料の保存方法の開発:当該資料群のこれ以上の経年劣化を防止し・恒久保存の対策を講じるための情報を得るべく・X線CT等を用い・蝋管の状態を精査し・表面の破損・材質の劣化の程度を測定し・多くの有益な情報を得た。また・蝋管を良好な状態で保存するための保管箱を試作した。C 国内外の初期録音所蔵機関の訪問調査:当該資料群を所蔵する国内外の諸機関を訪問し・所蔵内容・保存状態を調査した。特に・希少な国内吹き込み蝋管を所蔵する広島県内の旧家を訪問・精査し・上述Bに直結する貴重な情報を得た。また・それらの機関関係者との間で・今後の研究協力を含めての有意義な意見交換ができた。D 初期録音資料群の言語内容情報の言語史的・芸能史的分析:先行研究と上述Cで得た音源等を対象に・日本語文法史・日本語音韻史・近代日本史・日本芸能史の観点から・言語内容の分析および関連調査を行なった。特に・現存最古の日本語録音である1900年パリ録音に関し・詳細な音声分析を試みた。また・「最古の日本語音声を聴き・江戸時代の国産万華鏡をのぞく」(産業技術記念館・愛知県)等・本研究成果を広く一般に披露するイベントを開催した。TBS等テレビ放送でも・研究成果の一部が取り上げられた。
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日本語の研究 4巻1号
ページ: 205-207
北海学園大学工学部研究報告 35号
ページ: 119-129
音声研究 11巻4号
ページ: 4-5
川村学園女子大学研究紀要 19巻2号
ページ: 173-186