研究課題/領域番号 |
18202011
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
清水 康行 日本女子大学, 文学部, 教授 (00148074)
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研究分担者 |
岩井 俊昭 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学府, 教授 (80183193)
魚住 純 北海学園大学, 工学部, 教授 (50184982)
村上 隆 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 保存修理指導室, 室長 (00192774)
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キーワード | 国語学 / 言語学 / 日本史 / 録音資料 / 音響工学 / 光工学 / 保存工学 / 科学技術史 |
研究概要 |
前年度に引き続き、以下のA〜Dについて研究し、所期の研究目標に迫る成果を得た。これらは、次年度以降、新研究課題「蝋管を中心とした初期録音資料の音源保存・音声復元・内容分析に関する横断的研究」(基盤(A))に継承され、更なる深化が図られよう。 A蝋管等初期録音資料の音声復元方法の開発:蝋管等の保存状態・形態等に応じ、最適な音声復元が可能となるよう、触針およびレーザービーム反射光、低コヒーレンス干渉計、マイクロフォーカスX線CT、CCDカメラを利用した再生方式について、実験等を行ない、多くの新たな知見を得た。また、既開発の蝋管再生機を改良し、様々な規格の蝋管の再生が可能となるようにした。 B蝋管等初期録音資料の保存方法の開発:当該資料群のこれ以上の経年劣化を防止し、恒久保存の対策を講じるための情報を得るべく、X線CT等を用い、蝋管の状態を精査し、表面の破損、材質の劣化の程度を測定し、多くの有益な情報を得た。また、蝋管を良好な状態で保存するための保管箱を製作し、それにCに述べる貴重な国内録音蝋管を収めて、実際の保存状態を継続観察した。 C国内外の初期録音所蔵機関の訪問調査:当該資料群を所蔵する国内外の諸機関を訪問し、所蔵内容・保存状態を調査した。特に、広島県内旧家が有する希少な国内録音蝋管を精査し、上述Bに直結する貴重な情報を得た。また、英国に、本邦未紹介の日本関係蝋管資料が現存することを確認した。さらに、これらの機関関係者と、今後の研究協力を含めての有意義な意見交換ができた。 D初期録音資料群の言語内容情報の言語史的・芸能史的分析:先行研究と上述Cで得た音源等を対象に、日本語文法史、日本語音韻史、近代日本史、日本芸能史の観点から、言語内容の分析および関連調査を行なった。特に、現存最古の日本語録音である1900年パリ録音に関し、詳細な音声分析と語法分析を試みた。
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