研究課題/領域番号 |
18202017
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
小野 正敏 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (00185646)
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研究分担者 |
村木 二郎 国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (50321542)
佐伯 弘次 九州大学, 文学部, 教授 (70167419)
菊池 誠一 昭和女子大学, 人間文化学部, 教授 (40327953)
福島 金治 愛知学院大学, 文学部, 教授 (70319177)
金沢 陽 (財)出光美術館, 学芸課, 学芸員 (90392886)
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キーワード | 交流史 / 東アジア / 技術 / 流通 / 陶磁器 / 石製品 |
研究概要 |
東アジアの中世は、海を共有する交易・交流に特徴づけられ、その求心力のひとつが共通して広く、大量に流通した中国製品とその生産技術であった。本研究は、モノがもつモデルとコピーの属性、模倣と受容・移植に焦点をあてたものである。 2008年度は、(1)石工技術と交流のテーマでは、箱根・伊豆の安山岩を材料とする関東一帯の石製品の広がりを押さえるべく、伊豆、鎌倉、房総の石造物調査を実施した。また、群馬の安山岩製品との比較が必要なため、未製品の出土資料を調査した。(2)石材産地の技術では、長瀞の緑泥片岩石丁場ならびに若狭日引石の丁場、越前笏谷石の丁場足羽山を踏査した。(3)中世都市と生産技術・製品流通のテーマでは、大分県豊後府内遺跡出土の生産関連遺物、外来製品などの調査を実施した。新潟県寺前遺跡、北沢遺跡では多様な職種の生産関連遺物がまとまって出土しており、中世の複合的な生産工房についての知見を広めることができた。また、石川県七尾城城下町では職人集団の遺跡が見つかっていることから、中世都市における生産技術の実態とその製品の流通問題を検討するため、シンポジウムを開催して研究成果を広く公開した。(4)また、新たに外来技術の受容・移植に関したブランチを立ち上げた。これにより、豊後府内町で見られる南蛮文化の具体像を追求すべく、フィリピン、スペインで海外調査を実施した。(5)年度末には中間報告研究会を国立歴史民俗博物館で開催し、分担者・協力者13名の役割分担に基づく研究成果報告と今後の展望を得た。
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