モノがもつモデルとコピーの属性や彼我の生産技術の比較、技術移転や技術者集団の移住などに焦点をあてて、東アジアのなかで日本の位置づけを考える。 この地域で最も広域的に交流したのが、中国や朝鮮の陶磁器、銅銭をはじめとする金属器、石製品であり、モノとしての受容とそれをモデルとした模倣や技術移植があった。これらは、中世には日常的な品々であり、その生産技術であることが特徴である。従ってこうした品々や技術の移転は、地味ではあるが受容した社会の基盤から地域を変化させたと考えられる。 具体的な生産技術とモデル・コピーの比較、さらには都市や寺院における職人や技術集積、外来技術の受容などについて、考古資料を軸にして検証し、その様相について各技術系譜を超えた時代的様相や革新の画期として関連づけて考証する。
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