研究課題
本年は、研究実施計画の最終年度として、下記の成果を残した。(1)平成18年度より着手した『日本財政経済史料』のデータベース化を完成させた。また『日本財政経済史料』に所収されている諸史料を、特に『向山誠斎雑記』と比較して、その史料学的特質について考察した。(2)宮内庁書陵部の研究者と協議の上、綱文の訂正作業は継統中であるが、『天皇皇族実録』のデータベース化を完成させた。(3)『東京市史稿』の「宗教編」・「変災編」・「橋梁編」・「港湾編」のデータベース化を完成させた。(4)平成19年度に完成させた『通航一覧』データベースにもとづき、連携研究者の木村直樹が『同書』所収史料と長崎歴史文化博物館の所蔵史料を比較・検討した。(5)『オランダ商館長日記』および「マルヒナリア」の日本語訳を進めた。(6)イギリス所在の日本関係史料について、ケンブリッジ大学図書館所蔵の日本史料を調査した。また本年は、これまでの研究成果を集約し、山本博文編『江戸幕府・朝廷・諸藩の編年史・編纂史料集の史料学的研究』(『東京大学史料編纂所研究成果報告』2009-5、2009年3月)として刊行した。同書は、本科研において研究の中核に据えていた『日本財政経済史料』・『天皇皇族実録』・『通航一覧』・「マルヒナリア」などの編纂史料について分析した論考を8編収めている。いずれの論考も、本科研において充実させた「近世編年データベース」を構成する諸史料の史料学的研究を行ったもので、近世史研究はもちろん、アーカイブス学など関連する分野にも大きく寄与できるものとなっている。
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Revista Lusofona de Ciencia da Religioes No.13/14
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Blusse. L,(ed.), Canton and Nagasaki Comapred 1730-1830 Dutch, Chinese, Japanese, Relations, Intercontinenta No.26
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郭万平ほか(編)『舟山普陀与東亜海域文化交流』
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天下人の一級史料-秀吉文書の真実-(柏書房)
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江戸に学ぶ日本のかたち(日本放送出版協会)
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殉教-日本人は何を信仰したのか-(光文社)
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