研究課題/領域番号 |
18202021
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
檜山 幸夫 中京大学, 法学部, 教授 (40148242)
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研究分担者 |
大友 昌子 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (30060700)
松金 公正 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (50334074)
松田 京子 南山大学, 人文学部, 教授 (20283707)
藤波 潔 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (20328652)
加藤 聖文 国文学研究資料館, アーカイブズ系, 准教授 (70353414)
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キーワード | 戦没者慰霊 / 戦争紀念碑 / 忠魂碑 / 軍人墓地 / 戦没者遺族 |
研究概要 |
本年度は、国内においては福島県・神奈川県・東京都・佐賀県における戦争紀念碑と戦歿者墓地の調査と関係者に対する聞き取りを行った。このなかでは、特に、横浜市保土ケ谷では日本にある英連邦軍人墓地の調査を行い欧州諸国間において結ばれている戦歿者埋葬墓地協約に準じたシステムが日英間で片務的に結ばれている実態を確認し、池上本門寺では戦犯慰霊碑と関係資料の調査を行い、戦後慰霊の問題に関する資料収集を行った。海外では、イタリア・オーストリア・ドイツ・ポルトガル・スペイン・フランス・チュニジアにおける戦争紀念碑をはじめとする国事記念碑やドイツ軍人墓地と当該国軍人墓地の悉皆調査並びに一般人墓地を調査するとともに関係者に対する聞き取り調査を行った。さらに、ベトナムにおいて独立紀念碑と戦争紀念碑に共和国軍人墓地と南ベトナム解放戦線兵士墓地に対する調査を行った。かかる「もの」資料に対する調査の他に、本年度はドイツ軍人墓地を管理しているドイツ軍戦没兵士慰霊協会本部においてドイツにおける戦歿者埋葬に関する国際協約と墓地の建設・維持・管理・運営と埋葬墓碑石情報提供システムの実態とその運用、さらに戦歿者遺族との関係などについてインタビューを行い多くの資料の提供を受けた。その際に、同協会と協議し、本調査研究に対する理解を得ることができ、さらに今後の同協会を通じた全面的協力と必要な資料の提供についても了解を得たことから、ドイツにおける戦没ドイツ軍兵士の慰霊についてより構造的で体系的な解明が可能になった。また、ベトナムにおけるサンプル的調査の結果、ベトナム特有の慰霊のかたちとは別にアジアに共通するアジア的慰霊のかたちの輪郭が見えてきたことから、研究のさらなる拡大と深化の必要性とが高まった。
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