昨年度平成20年度には、12月に京都大学国際シンポジウム「変化する人種イメージ~表象から考える」を主催し、3月にその報告書を刊行した。その後平成21年度には、5月に、学術的成果として、『人種の表象と社会的リアリティ』(岩波書店、328ページ)を刊行した。これは代表者と連携研究者ら12名が執筆したものである。その書評が、『移民研究年報』(日本移民学会編)、『読書人』にすでに掲載され、『人文学報』(人文科学研究所紀要)にも掲載予定である(印刷中)。 このほか、全体の共同研究の成果としては、英文による学術書Racial Representations in Asiaを平成23年度内に、Kyoto University Pressから刊行することが決定している。さらに『人文学報』の第100号は、代表者が編者となり、「差異の表象」を特集号として刊行する。このように、日本語による学術書、英文による学術書、シンポジウム報告書、および紀要(査読付き)の特集号企画と、4冊図書を刊行することとなり、交付申請書や当初の申請時に記載した以上の成果を発表することができた。 また代表者は、Encychlopedia Britannica's Guide to Black Historyの"Race in Asia""Japan's Minority Groups"を執筆した。これにより、それ以前、日本についてはアイヌはコーカソイドの特徴をもつなどといった誤った記述を書き直すことができた。 今回連携研究者の成果は一部しか掲載していない。それらすべての成果もあわせると、予想以上の成果を発表することができたと考えている。
|