将来の東アジア共同市場の形成を先取りするモデル競争法の提言に向けて、東アジア経済法の現状と課題、とくに東アジア競争法の現状と課題を韓国、中国、台湾の研究者と共同して検討する。2007年に中国独占禁止法が制定され、東アジアモデル競争法の提言を行うべき必要性が強くなった。東アジアには、市場経済の成立の遅れ、近代裁判手続の未整備という「後進性」を行政権優位という特色を生かして改善するという独自の発展の契機が孕まれている。そのために、4国の研究者が各国の競争法の現状と問題点を徹底的に分析し討論する。そして「遅れ」を「強み」に変えて、将来の東アジア共同市場の形成、さらに将来の共同体の形成の基礎に経済法、とくに共通競争法を構想して、米国や欧州と並んだ3局の1局をなす競争法モデルを提言する。
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