研究課題/領域番号 |
18203007
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮本 太郎 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00229890)
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研究分担者 |
山口 二郎 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70143352)
空井 護 北海道大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (10242067)
坪郷 實 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (20118061)
遠藤 乾 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00281775)
吉田 徹 北海道大学, 大学院・法学研究科, 准教授 (60431300)
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キーワード | 比較政治 / 福祉レジーム / 生産レジーム / グローバル化 / 日本型システム / ドイツモデル / 構造改革 / 市民意識 |
研究概要 |
本研究は、比較政治経済学のレジーム分析に依拠しつつ、アングロサクソン型のレジーム、北欧型のレジームとの対照で、日独型レジームの問題点と可能性を明らかにすることを目的としており、今年度はそのまとめの年であった。昨年春に提出した交付申請書に記したように、「研究成果をまとめつつ、それを世に問う公開シンポジウム、さらには本研究の成果をさらに公刊していく準備をすすめる。加えて、いくつかの補足的な研究や調査がとりくまれる」という計画に基づき、研究をすすめた。 「補足的な調査」としては、レジームの現状と改革方向をめぐる意識調査を北海道新聞社などとの協力のもとでおこなった。これは政権交代を促した新たな世論の転換とレジームについての評価の関連をとらえるためである。サンプル数の大きな調査で、決算支出における「その他」項目支出が申請時の予算より膨らんだのはそのためである。調査の結果は研究代表者の評論とともに新聞などで公表した。その他、公表された一連の研究成果において活用した。 「研究成果のとりまとめと出版準備」については、研究分担者による多くの成果発表とあわせて、研究代表者が2009年11月に『生活保障』(岩波書店)を公刊した。ここではレジーム論の観点から日本型生活保障の特質を明らかにすると同時に、脱日独型レジームという観点から、その再構築の方向について提言をおこなった。 「公開シンポジウム」は、2010年2月に、「アクティベーションか、ベーシックインカムか?持続可能な社会構想へ」と題しておこなわれた。日独型レジームの一つベルギーからヤニク・ヴァンデルホルヒト教授、そして本研究が一つのモデルとして提唱したアクティベーションで知られるデンマークからヨルゲン・グル・アンデルセン教授を招き、研究代表者も加わって議論を展開した。 なお、研究代表者の宮本は、2010年3月下旬、パリ日本文化センター開催のシンポジウムで研究成果の発表を行う予定であったが、実弟が病気で倒れたため直前に渡航を見送ることとなった。そのため、21年度の研究費に海外旅費相当分の残余が生じたが、研究成果のとりまとめに支障はなかったことを申し添えておく。
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