研究課題/領域番号 |
18203008
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田中 愛治 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40188280)
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研究分担者 |
西澤 由隆 同志社大学, 法学部, 教授 (40218152)
河野 勝 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (70306489)
清水 和巳 早稲田大学, 政治経済学術院, 準教授 (20308133)
栗山 浩一 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (50261334)
渡部 幹 早稲田大学, 高等研究所, 客員准教授(専任扱い) (40241286)
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キーワード | CAPI / CASI調査 / 世論調査 / 政治経済学実験 / 政治行動論 / 政治変動 |
研究概要 |
平成19年度の主要研究実績は、平成19年7月29日の参議院議員通常選挙の前後に全国世論調査をCASI (Computer Assisted Self-administered Interview)調査の形で実施したことである。本研究が当初目標としていたCAPI調査(Computer Assisted Personal In-terview)という、面接員が回答者に質問をしつつ回答をノート・パソコンに入カする方式から、より一層発展させ回答者が直接ノートパソコンに入力する方式の世論調査に成功した。全国面接世論調査をCASI調査で実施したのは、本研究が日本で初めてであった。また、この調査は参院選の前後に同一サンプルを追跡調査(パネル調査)しており、意識の変化と投票行動を関連づけることができる設計であった。 更に、本研究では平成18年度から政治軽済心理学実験を行ってきたが、その実験的な要素をノートパソコン上に作成したCASI調査画面のプログラムに導入し、大規模サンプルの全国面接調査で実験を行うことができた。政治経済心理学実験をCASI方式を用いて全国規模の世論調査に導入した調査は、世界でも例がないものであった。 この実験的調査では、地域のゴミ処理に積極的に参加するか否かの実験と、談合を規制する新しい条例の制定に積極的に支持を示すかという実験の二つを用いて、日本の有権者が、雪崩を打ってある方向に動くメカニズムがある程度解明できた。CASI調査の実験では、多くの回答者は周囲の人々が参加すると確信すれば、自分の参加にコストがかかろうとも、参加する傾向が強かった。そのことから、2005年のように大きな政治変動がおきるメカニズムは、自分以外の多くの者もある活動に参加することが確認できると、その趣旨に賛同すれば、参加する可能性が高くなり、雪崩現象が起こると推測できるのである。
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