研究課題/領域番号 |
18203011
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
浅野 豊美 中京大学, 国際教養学部, 教授 (60308244)
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研究分担者 |
木宮 正史 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (30221922)
李 鍾元 立教大学, 法学部, 教授 (20210809)
磯崎 典世 学習院大学, 法学部, 教授 (30272470)
太田 修 佛教大学, 文学部, 教授 (00351304)
金 敬黙 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (00388620)
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キーワード | 国交正常化 / 日韓関係 / 請求権 / 在日韓国朝鮮人 / 漁業問題 / 冷戦 / 謝罪 / 脱植民地化 |
研究概要 |
研究成果の社会的還元のため、2010年1月に東京大学にて「日韓国交正常化の現代的意味-外交史料のもたらした新知見-」と題する公開シンポジウムを、韓国側からの研究協力者を多数招待し、朝日新聞社と韓国の東亜日報社の名義後援をも得て開催した。和田春樹氏(東京大学名誉教授)や遠藤哲也氏(元日朝国交正常化交渉日本政府代表特命全権大使)の参加をも賜り、日朝交渉の展開や東アジア共同体への可能性という現代的なテーマとも関連させつつ、日韓国交正常化交渉の現代的な意味を討論した。翌日は出版に向けた分担者・協力者のみの分科会を開き、社会的脱植民地化プロセスとしての日韓交渉という側面、および、冷戦下の相互の国内政治過程としての日韓交渉という二つの側面から、各実証研究の背後に横たわる根本問題を議論した。各自の研究成果のエッセンスを交換し、未だ残されている問題についても検討することができた。この二つのテーマを副題として、法政大学出版局から二分冊として『歴史としての日韓国交正常化』と題した書籍を、2010年度中に刊行する予定である。 また、資料集の刊行については、韓国側資料の日本語翻訳作業を韓国人研究協力者の全面的な協力を得て推進し、他の編者・協力者の校閲をも仰ぎつつ日本外務省文書と簡単に対照することができるようにした。日韓の両文書ともに判読困難な手書き部分を活字化したが、それは交渉の複雑な内容を迅速に読み取り他地域の研究者にも利用が可能なように配慮したためである。アメリカで収集した国務省や大使館関係の文書とも対照可能なようにすることを目指し、日韓米三国の政策決定の内幕や相互連関を資料実証的に研究できるようにしていく予定である。 資料集の刊行によって、日韓国交正常化交渉を本格的な歴史研究の対象とするための基礎的なインフラを構築できたと考える。前述の刊行予定の書籍は、その最初の本格的な実証研究の成果と位置づけられよう。
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