本プロジェクトは、日韓の若手研究者の連携と協力の国際的ネットワークにより、新公開資料を生かし、今後の日韓関係史の基本書・基本資料集として評価されるに値する成果を生み出すことを目的としている。新公開資料として当初予定していたのは、2005年度に韓国政府から公開された日韓基本条約(1965年)締結に関する5万枚の外交文書であった。しかし、第3年目になって日本の外務省も同様の外交文書を6万枚という想定外の規模で公開したため、それらも踏まえた研究とすべく、できる限りの対応を行っている。具体的な目的は以下の2点である。 (1) 日韓両政府公開資料とアメリカで収集した外交資料とを、さまざまな角度から吟味し比較検証することにより、従来さまざまな意図から誇張され宣伝されてきた断片的「事実」を超越する立体的実証研究を行うこと。通俗的な歴史イメージを打破するような戦後日韓関係の起源と展開に関する研究成果を生み出し、論文集として刊行すること。 (2) 戦後日韓関係の起源と展開に関する重要資料を選別し資料集を刊行すること。
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