本研究では、都市経済学、地域経済学および国際経済学を、空間経済学として束ね、世界の都市システムを解明し、さまざまな経済諸問題を解決することを主な目的とする。具体的には、Krugmanに始まる空間経済学の理論の再構築、Alonsoに始まる都市経済理論の実証分析をもとにした都市環境問題の解決、世界の都市経済システムの再編に伴うさまざまな社会階層間の格差の研究、および国際貿易構造と生産要素の国際間移動の解明が、本研究のねらいである。 研究は以下の三つの課題に大別される。 (1) 空間経済学の基礎理論の再構築 経済活動の集積、多様な産業間の連関、知識創造と動学的外部性、複数均衡と安定性の諸問題、社会厚生分析。 (2) 都市空間構造と都市階層システム 大都市における混雑などの外部不経済と企業集積による外部経済の理論と実証分析。 (3) 技術進歩と国際経済 情報通信や交通施設などの社会共通資本の蓄積が都市経済にもたらす効果のの理論と実証分析。
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