研究課題/領域番号 |
18203014
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西山 慶彦 京都大学, 経済研究所, 教授 (30283378)
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研究分担者 |
市村 英彦 東京大学, 経済学研究科, 教授 (50401196)
谷口 正信 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00116625)
谷崎 久志 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (60248101)
人見 光太郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 准教授 (00283680)
矢島 美寛 東京大学, 経済研究科, 教授 (70134814)
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キーワード | 経済統計 / 統計数理 / セミパラメトリック法 / モーメント条件 |
研究概要 |
市村は"Implementing Nonparametric and Semiparametric Estimators"において、計量経済学で用いられるノン・セミパラメトリック推定量の性質にかんして、網羅的なサーヴェイを行ない、また"Changes in the Distribution of Male and Female Wages Accounting for Employment Composition Using Bounds"において、最新のバウンド推定の手法を用いて、男女の賃金分布の変化を分析した。西山、人見は"Efficient Estimation and Model Selection"でグループ化されたデータの最尤推定の問題を考察し、GMM推定量はそれと同じ1次漸近特性を持つことを示した。谷口は"Non-regular estimation theory for piecewise continuous spectral densities"において、スペクトル密度関数に不連続点がある場合の推測論を展開した。この場合はLAN性がなりたたず、特に不連続点の推測ではMLEは漸近有効にならないがBayes推定量は漸近有効になるという結果を得た。これは非正則状況での推定問題として理論上重要な結果である。また、谷口は著書"Optimal Statistical Inference in Financial Engineering"を出版した。これは局所漸近正規性に基づく時系列の最適推測論を基礎とした統計的金融工学の理論を解説したものであり、多くの研究者にとって有益な参考文献である。谷崎は、「AI需要システムによる弾力性の推定について:ブートストラップ法の応用」において、AI需要システムを3段階最小二乗法とブートストラップを組み合わせて、セミパラメトリック推定を行った。既存研究はパラメトリックなアプローチをとるが、この研究では分布を仮定しない手法が提案されており、今後同分野の文献に与える影響は大きいと予想される。
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