研究課題/領域番号 |
18203016
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 昌久 京都大学, 経済研究所, 教授 (90281112)
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研究分担者 |
西村 和雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (60145654)
田渕 隆俊 東京大学, 大学院経済学研究科, 教授 (70133014)
藤本 隆宏 東京大学, 大学院経済学研究科, 教授 (90229047)
森 知也 京都大学, 経済研究所, 助教授 (70283679)
濱口 伸明 神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (70379460)
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キーワード | 空間経済学 / 複雑適応系 / 集積 / イノベーション / 知識創造 / 都市 / 国際地域経済 / 経済成長 |
研究概要 |
今世紀に入りますます重要になりつつある、広い意味でのイノベーションないし知識創造活動に焦点を当て、その舞台となる様々な「場」およびその母体となる都市や産業集積の形成と内生的発展のミクロプロセスを、複雑適応系モデルの観点から多核的かつ統一的に分析することにより、「空間経済学」の格段の発展を達成することを目的として、三年計画の初年度の研究を遂行した。具体的には、藤田は、K-linkages(知識創造における人々の間の相互連関)を通じての知識の創造・学習・伝播のミクロプロセスを複雑適応系としてモデル化した。さらに、この基本モデルと財の水平的差別化を中心とするRomer・Helpman型の内生的成長モデルと融合し、知識労働者の多様性と経済成長との関連について分析した。一方、西村は複雑系二国モデルの枠組みで、国際間におけるビジネスサイクルの伝播と外部性の影響を均衡動学経路の動学的特性として分析した。田渕は複雑系としての空間モデルの枠組みで都市の空間構造と貿易の関係を分析するとともに、都市の誕生と消滅のプロセス、およびクラスター型の都市階層構造を内生的に求めた。藤本は、(サービス業を含む)広い意味での製造業における製品開発から販売までにおける一連の活動を設計情報の流れとして一貫して捉えることにより、企業における組織能力・知識創造・熟練形成・人材育成について理論と実証の両面より分析した。森は都市形成と都心形成に関する理論モデルについて総合的に分析した。浜口は産業集積における知識のスピルオーバーと知識労働者のネットワーク化を利用した技能形成と技術政策について分析した。村田は独占的競争の一般的均衡に関するアプローチを提案するとともに、選考の異質性と生産規模の関係について分析した。また、山本は企業集積と研究開発の生産性の関連、および部門間労働移動と人的資本の蓄積の関係についても理論的に分析した。
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