研究課題/領域番号 |
18203019
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研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
東 三鈴 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (20401713)
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研究分担者 |
福井 秀夫 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (60251633)
久米 良昭 宇都宮共和大学, シティライフ学部, 教授 (60316643)
中野 英夫 専修大学, 経済学部, 教授 (60255586)
安念 潤司 成蹊大学, 法科大学院, 教授 (00125981)
岡本 薫 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (30432074)
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キーワード | 知的財産 / 産業政策 / 法と経済学 / ヘドニック法 / 地方分権 |
研究概要 |
1.自治体知財施策実施状況に関する実態調査 都道府県等を対象としたアンケート調査等により、地財施策実施状況を実態調査した。その結果、(1)特に新規開業支援、ベンチャー育成を目的とした融資及びインキュベート・オフィス提供は、全都道府県が積極的に推進している、(2)地域団体商標登録制度に関する民間の取組支援のため、イベント開催、広報宣伝等を実施する団体が増大している、(3)植物新品種に関する県外許諾に関しては、県内生産者数及び品種特性に応じて判断していること等を明らかにした。 2.知財施策実施による地域生産力増進効果の分析 (1)地域における産学・産産・異種連携のNW構築を通じて、新事業・新産業を生み出す環境を整備する産業クラスター計画に取り組む地域を対象として、研究開発、特許出願、新商品開発、新サービス提供等のパフォーマンス向上に与える要因分析を行った結果、特に産産連携の寄与が大きく、産学連携は有意な正の影響が見られないことを明らかにした。 (2)都市中心部では、住商工の異業種集積が地財生産力増進要因と考えられる点を踏まえて、ヘドニック法の適用により、その効果を土地資産価値増大を通じて計測する手法を開発した。 3.自治体知財政策に関する法と経済分析 中央政府ではなく地方公共団体が知財政策を実施することの根拠として、(1)地域固有の商品に関する技術開発が地方公共財としての性格を有すること、(2)弁理士、弁護士等の資格制度や、借家法制・担保執行法制の不備のため、その歪みを相殺するためにも、地財実施に関するコンサルティング、インキュベートオフィス提供、創業支援融資等施策が要請されていることを解明した。 4.法制度設計 3の分析を踏まえ、(1)借家法制改善のための正当事由を具備する金銭支払基準を策定するとともに、(2)担保・執行法制改善のための非司法競売導入スキームを構築した。
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