研究課題/領域番号 |
18203021
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井堀 利宏 東京大学, 大学院経済学研究科, 教授 (40145652)
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研究分担者 |
吉川 洋 東京大学, 大学院経済学研究科, 教授 (30158414)
田渕 隆俊 東京大学, 大学院経済学研究科, 教授 (70133014)
土居 丈郎 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (60302783)
近藤 広紀 信州大学, 経済学部, 助教授 (30324221)
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キーワード | 公共財供給 / 政府規模 / 地方分権 / 社会保障制度 / 財政政策 / 経済成長 |
研究概要 |
公共財供給を通じた政府の役割について、国内問題を中心として研究に着手した。公共財供給が多様化し、政府規模が拡大することのメリットとデメリット、および地域経済や国際社会に及ぼす影響について、研究した。また、EU内での多様化された公共財供給の実態、社会保障制度の実態を調査した。たとえば、財政面で分権化されたままの一方で、金融面では集権化が進むEUにおける財政面、税制面、社会保障面での公共財供給の実態やEU内部での財政政策、公共財供給における利害調整を考察するとともに、分権的な決定メカニズムがもたらす実際上の相克事例およびその対応策についても、資料の調査と評価を行った。さらに、アメリカやカナダの地方分権制度を対象として、中央政府と地方政府の規模と、それが各国経済や地域経済に及ぼす効果について、資料の収集、調査と評価を行った。 理論研究では、そうした多様化された状況での公共財供給メカニズムを包括的に説明できる理論的なモデルを構築した。特に、わが国を対象として地方分権、社会保障制度、地方経済、財政政策を通じた公共財供給における受益と負担の関係を総合的に分析した。そして、地方分権下での各地方政府の公共支出の最適規模を理論的に研究した。また、賦課方式による公的年金(世代間再分配政策)、中央政府による地方交付税や補助金(地域間再分配政策)などの移転支出を想定して、その規模がどのように決まるのかを政治経済学の手法で検討した。さらに、経済成長や資本蓄積、都市形成などの視点も入れて、公共財供給が民間経済活動にもたらす長期的な効果を比較検討した。
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