研究課題/領域番号 |
18203026
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
石井 淳蔵 流通科学大学, 商学部, 教授 (50093498)
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研究分担者 |
嶋口 充輝 法政大学, イノベーション・マネジメント研究科, 教授 (30051692)
栗木 契 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (90294397)
西川 英彦 立命館大学, 経営学部, 准教授 (10411208)
松井 剛 一橋大学, 商学研究科, 准教授 (70323912)
村下 訓 大阪国際大学, 経営情報学部, 准教授 (20411712)
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キーワード | 経営学 / 商学 / マーケティング競争 / ロバストデザイン / 複合ケース研究 |
研究概要 |
本研究では、マーケティング競争下におけるデザイン戦略の重要性について、近年注目されつつある「ロバストデザイン」を核概念としつつ、具体的なデザイン戦略に基づく競争優位性の確立と、その背景としてのマーケティング競争のメカニズムについて、歴史的、かつ実証的に明らかにしていくことを目的としている。 2年目となる本年度としては、1年目の成果を隔月の研究会を通じて発展させつつ、具体的には(1)ロバストデザイン概念を中心としたデザイン論の整理、および分析フレームワークの構築、(2)マーケティング競争のメカニズムに関する埋論的分析、(3)実際に優れたデザイン戦略を行っていると考えられる企業へのヒアリング調査、(4)マーケティング競争下におけるデザイン戦略のあり方についての、複数企業の複合的な競争プロセスに焦点を当てた歴史的プロセス研究、(5)これらを総合した形でのマーケティング競争下のデザイン戦略についての実証的研究という5つを計画していた。 その研究成果としては、以下の2点があげられる。 1つ目は、デザイン概念の理論枠組みの構築である。それは、(1)デザイン論の整備、(2)マーケティング競争の理論的分析、(3)ヒアリング調査を通じて考察されたもので、デザイン概念の根幹に位置する、素材性や潜在性をもつ製品のマテリアと、ポランニーを起点に議論された人の暗黙知あるいは身体との相互作用による創発を捉えた理論枠組みである。こうした概念は、デザイン戦略の競争優位確立に向けて重要なカギとなる。 もう1つは、複数市場における歴史的プロセス研究の蓄積である。それは、昨年度の段階からパイロット的に開始されてきた調査を、より体系だてたもので、(3)ヒアリング調査の継続的な実施と、歴史的資料の仔細な分析を通じて、(4)歴史的プロセス研究へと発展させた。こうした歴史的プロセス分析により、(5)実証的研究における仮説の精緻化へとつながった.
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