研究概要 |
当初の予定通り、2009年1月に実施した第3回全国家族調査(NFRJ08)データのクリーニングを進めた。このデータは過去に1999年、2003年と5年間隔で行われた日本家族社会学会による全国家族調査の第3回目の調査であり、全国から9,400人を無作ら抽出、5,203人から回答を得たものである(回収率55.4%)。データは今後公共利用データとして研究者むけに一般公開されることが決定している。 平成21年度前半は、私たちが用意したクリーニングの仕様書をもとに中央調査社が業務を遂行し、7月以降は私たちがさらにクリーニングを進めた。 この作業は予想以上に時間がかかったが、2009年12月にようやくクリーニングが終了した。以上のクリーニングの作業記録は、後述の第1次報告書に収録した。 一方、このデータの作成に尽力した「NFRJ08実行委員会」メンバー(全28名)で項目を分担し、性別と年齢(出生コーホート)別に各項目の集計結果を算出、『家族に関する全国調査』第1次報告書として最終的な成果をまとめた。 この報告書は3月に刊行され、すでに多くの関係者に配布されている。 今後、NFRJ08データは平成22年度中は日本家族社会学会の有志(NFRJ08研究会)によって利用され、その成果を2次報告書として刊行する予定である。続く平成23年度中には、東京大学SSJデータアーカイブより研究者向けに一般公開する予定である。 本年度に行った作業は、今後の分析に必要なデータを整えるという基礎作業である。その意味で実質的な研究はまだほとんど未着手であるが、しっかりとしたデータを整備する作業があって実質的な研究は成立する。本年度は十分に当初の計画通り、目標を達成でさたと考えている。
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